イワシとイセヒカリ


Gomyo倶楽部のイベントの帰り、夕食のオカズを仕入れようとスーパーに寄ってイワシと牡蠣を買った。なにもイベントで疲れた帰りにこんな調理の面倒なものを買わなくても・・・と思ったのだが、イワシは北海道産で大きめで皮がつやつやと美味しそうだし、牡蠣も身がぷりぷりの香川産だったのだ。

イワシは腹を割いてみると内蔵がしっかりしていて刺身で食べれる鮮度だった。酢〆にして半分はその晩に食べ、半分は皮を残したまま冷蔵保存し、今日の昼に皮をはいで切り、白髪葱とショウガのすりおろしを添えて、生のまま食べることができた。美味しかった。

酢〆の手順はまず三枚におろして腹骨を取り、ザルの上で塩をふって1時間ほど置く。こういうときはなんといっても竹ザルがいい。

バットにとり表面の塩を酢で洗ってそれは捨て、

キッチンペーパーで水気を取ってから新たな酢をかける。

1時間ほどで食べれる。旨味がぐっと増して美味しい。

ところで、今日はひやご飯の残りを蒸してそのオカズとして食べたのだが、さらりとしたイセヒカリがやけにイワシの酢〆に合う。青魚には昔のこういうねばりの弱い米のほうが合うのかもしれない。

イセヒカリはGomyo倶楽部の棚田で栽培している品種で、長く再生活動に関わっていたHさんが導入したものである。平成元年に伊勢地方を襲った強烈な台風の中、伊勢神宮神田でたった2株だけが倒伏せず立ち残ったことで発見された新品種(コシヒカリの突然変異種)なのだそうだ。

耐病性に優れているため肥料や農薬を必要としなくても育てやすい。登録品種でも奨励品種でもないので、一般には流通していないのだが、調べてみると「硬質米」で、炊飯前にできるだけ長く(最低6時間)水に浸しておく必要があるという。

恥ずかしながら私はそれを最近知ったばかりで、玄米で食べていたときはしっかり浸水時間をとっていたが、精米機を導入してから胚芽米などで炊くときはいつもの白米のやりかた(土井先生メソッド)すなわち、

洗ったお米をザルにあけ夏場で30分、冬場で50分を目安に水分を吸わせる。そうして新しい水を入れてすぐに炊く。

という方法をとっていた。ザルにあけても米粒の周りに水分があるのでそれで十分吸着できるのだ(できれば途中で上下を返すと吸水が均質になる)。すぐ炊かない場合はビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておく。

つまり「40分ザルあげ」ですぐに炊いていた。でもそれではイセヒカリはぼそぼそになってしまう。が、かといって長く水につけると、

米は水分と出会った瞬間から発酵が始まり、ひとつの菌は8〜10分ごとに分裂して、一時間後には64個、5時間後には億単位になる。つまり膨大な雑菌のために米の味を悪くする。だから米は「きれいな水で水加減してすぐに」炊き始めなければいけないのだ。(『おいしもののまわり』土井善晴)

というわけなので、いまだイセヒカリを美味しく食べる方法を模索中なのである。

さて、牡蠣はフライにして食べたかったが、さすがにめんどくさくなってしまった。いちどやってみたかったオイル漬けにしてみた。汚れを洗ってから水気をとった牡蠣をオリーブオイル、ニンニク・赤唐辛子で炒め、火を通してオイスターソースで味付けする。

それをバットにとって冷ます。

冷めたら保存ビンに入れてオイルで満たす。以前、綿実油でつくった八角油があったのでそれを入れた。2日以降が食べごろなので今日はおあずけだ。

バロンにはイワシの中落ち削ぎ落としをあげたのだが、それでは「全然足りないお」と不満顔だったw。


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