COPEN来る


朝、草刈りに行こうと準備していたら、Y先生がやって来た。毎朝2時に起き4時に朝食を食べ、明け方から畑の草取りをしているY先生である。日が上がって僕らが起き出す頃、すでに一仕事終えているのであった。

「いや、草の勢いがすごいね。石垣まわりに除草剤をまいたんだ。マムシがいてね、草がないとヘビもいなくなる」
僕らが朝寝坊な上に、アトリエの畑がいたるところ草が取りきれていないのを、先生は暗に批判されているようにも見受けられた。
「僕らの畑は生物共存型ですからねぇ(笑)。ま、生き物の写真がまた仕事ネタにもなるもんで」と頭をかくふりをする。

古くからの山暮らしの人々の畑のスタイルは、まるで庭園のごとくである。雑草を徹底排除して作物を美しく仕立てる。でも、いま家族が少ないからとても野菜を食べきれない。それで僕らに野菜がまわってくる。1年目からいきなり自然農に挑戦している僕らは作物の収穫にばらつきがある。それで、ありがたくそれらの作物をいただくことになる。最近は、野菜をほとんど買い物していない。

それでも除草剤や消毒剤、殺虫剤を、僕は使う気にはなれない。以前「自然環境に配慮した林業」というふれこみで有名な林業地を見学したことがあるが、初期の下刈りで「特定の植物に効く除草剤」を使うと聞いて驚いたことがある。いったい特定の植物にのみ効く毒薬なんてあるのか?

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白インゲンはこの雨で大きく成長し始めたが、小豆はことごとく鳥に食べられてしまったので、今日ふたたび蒔いた。頂き物の黒豆も蒔いた。石垣の端場に植えたミニトマトの成長がいい。ニンジンも太くなってきた。が、幼虫の葉っぱを食べるキアゲハが産卵にきていて複雑な気持ちになる。昼前に上がって着替え、伊勢崎の販売店に車を取りに行った。

さて、その車というのは、ダイハツのCOPENである。660cc、2シータ-のスポーツカーである。もちろん屋根をオープンにもできるのだが、幌式のものではなくて、電動で屋根が開閉するという、国産軽では初めての仕様の車なのだ。

皆さんはトラックの荷台にのって自然の中を走ったことがありますか? 僕は昆虫採集に熱をあげていた高校生のとき、山道でヒッチハイクして軽トラに積まれた耕耘機につかまりながら、鬱蒼とした木立の中を行ったり、タイに旅したときもトラックの荷台で海辺まで移動したことがあるのだが、本当に気持ちがいい。

発売当時からCOPENのデザインには注目していたのだけど、昨年の水戸での講演旅行の途中、日光で駐車場に止っているそれをしげしげと見てしまったのである。藤岡のダイハツで実際に運転席に乗ってみたり、伊勢崎で試乗してみたりした。なぜ伊勢崎かというと、そこの試乗車がモスグリーンのCOPENで、僕のお気に入りの色だったからである。

グリーンのCOPENを見たとたん「借金してもこの車、絶対買うぞ!」と思ってしまったのだ。やや値段が高いとはいえなにしろ軽だし、維持費が安い。COPENは受注生産で、完成まで待たされる。ウッドのハンドルとノブのオプションがあったのでそれも付けてもらった。

この車は僕らの「馬」だ。昔、多くの旅人が樹間の空を眺めながら馬で移動したように、僕らは超土木国家の舗装工事を逆手にとってCOPENで旅する。

前橋と藤岡をまわって帰ってきた。買い物を済ませた鬼石の町中から、オ-プンにして林道を戻った。国産車中、最も車高が低いというのが心配だったけど、底を擦ることもなく、前に軽トラを入れていた敷地の空きスペースにすんなり入った。これでアトリエの車はトラックとスポーツカーの軽2台になった。でもはやく車庫をつくらないと、頭上のクルミの木の実が落ちてくるのが心配なのだ。

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