前橋市役所で観光パンフレットを入手し、まだ見ていない建築行脚をする。群馬県庁昭和庁舎、群馬会館、臨江閣、など。昭和庁舎では近代美術館のコレクションが入場料100円で観れた。モローの小品、フジタの油彩、そしてピカソの1枚に足が釘付けになってしまった。キュビズム時代の代表作「三人の音楽家」に通ずる圧倒的な構成力、抑制の効いた選び抜かれた色彩、下塗りをかすかに見せる大胆な筆致。残るだけのことはある。腐ってもピカソ・・・か。
群馬県庁昭和庁舎、群馬会館は西洋建築を真似た石の建物だが、新庁舎はその形や色彩を相似形にして建てられているようだ。すなわち、西洋の2重コピーになる鉄筋コンクリートの建物である。パリの石造建築群はすでに100年の時を経ていまだ健在だが、さてこの庁舎はどのぐらい保つのだろうか?
臨江閣の別館は県内最大級の木造建築で、内部の大広間は圧巻だった。通し柱には中山道安中の杉並木のスギが払い下げで使われているそうだ。アトリエの通し柱もスギである。最近の木造ではみられないスギの使い方である。