今年は敷地のミツバが増えた話を書いたが、フキも増えた。優勢になるように草刈りを調節していたのだ。
若いフキは皮をむかず適当に切ってそのまま鍋に入れ、醤油と酒と砂糖で煮てキャラブキにする。箸でかき混ぜると皮の繊維が絡まるので、鍋を動かしてときどき天地を返してやる。一晩冷ましてからまた火にかける、というのを繰り返すと味がしみるというが、僕らはいつも省略。プロは銅鍋を使うらしいが僕らはステンレスの片手鍋で。
太めのフキはまずお湯で煮て水にさらし皮をむく。そこで適当な長さに切って昆布と鰹節の合わせ出汁に酒と醤油を入れたもので炊く。これはこれ薄味で美味しいものである。写真左がそれ。右の黒っぽいのがキャラブキ。冷蔵庫で長期保存がきき、お茶漬けにもよし、細かく刻んでおにぎりの芯にもまたよし。
ウドは山から畑に移植したものが今年も大きく芽を出した。全部芽を摘んでしまうと弱まるので来年の分を育てながら収穫するのだ。それでも食べきれないほど出てくる。それも収穫時期限定なのである。地面に近い付け根の部分を生で齧るのが美味い。ニンジンときんぴらにしても美味しい。葉っぱは天ぷらに。
食べきれないものは塩で揉んで一晩ざるにおき、皮を抜いてから味噌に漬ける。この緑が味噌のエキスを吸って茶色に染まる頃、刻んで日本酒のアテに、お茶漬けに最高!
「必須栄養素でしか食品を評価してこなかった時代には、ウドはカロリーもないが栄養もほとんどないとして、香味が好まれているだけの、栄養価のない野菜のように言われていた。しかし現在では、植物の生長に必要な物質と、それを作り出すために必要な酵素が豊富な、生命にあふれた野菜であることが分っている。栽培されるようになってからでも千年以上の歴史のあるウドは、春にしか摂ることのできない貴重な植物栄養素を供給してくれる野菜である。」(『よい食事のヒント~最新食品学と67のヘルシー・レシピ』丸元淑生/新潮選書、2003)
朝食兼昼食は豆と野菜のスープ。今日は大正金時豆とニンジンとジャガイモ。月桂樹、フェンネル、ジョウガ、ニンニク。塩。金時豆は買ったもの。