野反湖へ


今年の夏の暑さはかなりのもので、おそらくこのアトリエでも熱帯夜になっている。同じ群馬県下の館林で40度を越える最高気温を記録。麦収穫前後の雨続きにもハラハラさせられたが、その後はお湿りのない日々がずっと続き、気温は上がるのに夕立の雨がない。いったいこの暑さは何なんだ。うー、避暑に行こう!

というわけで、目指すは野反湖(のぞりこ)。群馬、長野、新潟の県境に位置する、2000mの山々にかこまれた高原の湖のほとりでキャンプするのだ。セカンド・カーのアクティに荷物を積み込んで出発。途中に温泉がいくつかある。前々から気になっていたS温泉の露天風呂に行ってみた。川の中から湯が湧き出ており、混浴の露天風呂と聞いていた。

ところが、現地に近づくにつれ、川の様子に一抹の不安がはしる。爽やかな渓流ではなく、キタナイ感じのする、流れなのである。花敷温泉の建物を過ぎてもその川の印象は変わらない。S温泉用の無料の駐車場には、たくさんの車が止まっており、キャンピングカーで来て、すでに酒盛りしているグループもいる。

そこに車を止めて、いちおうタオルと着替えを持ち露天風呂まで行ってみたら、女性はもちろんオッチャンも海パンで入っている。やっぱり流れと周囲の雰囲気がキタナイ感じがして、コケやヌルがついている。小屋掛けの小さな湯船もあるのだが、そこには地元爺さんがいて、女性が一緒に入れるような雰囲気はない。

結局、入らずにUターン。硫黄臭のない無色透明の湯であることも、そそられない要因だった。全国の山岳渓流をいろいろ釣したことがあるので、水の色とか石につくコケの感じを見ればピンとくるのだが、この川は発電か何かの取水をされて水量が少なく、上流の民家の排水が入っていると思う。草津まで戻って外湯に入った。

野反湖には夕刻着いた。キャンンプ場は駐車場から15分ほど歩かねばならないので、荷物移動用にリヤカーを貸してくれる。キャンプ料金は2人で1,900円。このキャンプ場はアウトドア雑誌で日本一のキャンプ場に選ばれたこともあるそうで、さすがに雰囲気がよく気持ちがいい。

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テントを設営してから、湖畔の夕暮れを見に缶ビール片手に散歩。

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夜はアボカドとトマトのサラダ、冷奴、タマネギと小豆もやしを入れたサンドイッチなどを食べながらウィスキーを飲む。テントサイトから油の焦げるニオイ、焼き肉のニオイが流れてくるのだが、僕らはコンパクトな山岳テント、菜食キャンプだ。

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翌朝、テントを早々とたたんで車に荷物を置き、野反湖周囲の山をトレッキングする。上越国境のピークを二つ踏んだ。ササ原の中にオオシラビソやコメツガ、ダケカンバが。コケモモやシラタマノキ、ギンリョウソウ、懐かしい亜高山帯の植物に出会い、高山蝶のベニヒカゲの乱舞に出会う。

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野反湖は3回目の訪問である。ここは無垢の輝きがある高原湖でブラックバスはおらず、流入河川沿いに民家は一軒もない。なにしろ、この湖の下流域に、かの有名な秘境「秋山郷」があるくらいなのだ。周囲の山も植生もすばらしい。今回また、キャンンプ場の良さを知った。僕はここを「群馬の宝(たから)」と絶賛してはばからない。

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旅の句読点は渋川に寄って「ニコニコ亭」でラーメンセット(620円)。ソースカツ丼で有名な店だが、ラーメンもなかなか美味い(醤油もあるが今回は味噌)。鰹節の香りの効いた、最後まで飽きがこないまっとうなスープなのである。麺もチャーシューもちょいと旨い。丼について来る漬け物が自家製になればなぁ・・・とは思うが、ここも僕的には「群馬の宝」としておく。

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