3年前に伐ったクヌギからたくさんの新芽・小枝が吹き出している。広葉樹の多くは切り株から萌芽(ぼうが)するので、それをうまく仕立ててやると再生可能だし、植林するよりずっと早く太い木にすることができる。昔の人はこの性質をうまく利用し、雑木林を15年程度で皆伐・更新させていた。
具体的には、出て来た小枝を剪定して2~3本程度に揃える(これを「もやかき」という)。要するに小枝の間伐である。ついでに周囲の雑草も刈ってやったり、ツル草を切ってやる作業も必要だ。
さて、このクヌギだが、かなり太い木だったので、伐採したとことで上部の空間が空いた。そこへ周囲の雑木が枝を伸ばし、切り株には日が当たらなくなってしまった。萌芽はしているものの気息奄々状態なのであった。雑草・ツル草刈りだけでなく、覆いかぶさる他の枝も剪定する必要があるのだった。
それにしても、山に暮らしていると、実にこまごまとした仕事がある。その仕事の多くは「刈る、伐る」という作業で植物を活かしていくことだ。結果的に敷地を暮らしやすい方向にコントロールしていく。昔の人はこんなこまめな手入れを日常に行っていたのだな。炭焼きたち、木地師たちが山々を細かく歩いていた昔を想像する。
その近くにトチノキの実生をみつけて、これも去年から周囲を下刈りして育てている。大きくなってくれるだろうか。
今日のクリンソウ。2~3輪が満開状態で、最も美しい時期。