京都四国旅(11.京都の本屋、黒田辰秋のテーブル)


前夜は亀岡の道の駅に泊まり、今日は名古屋の友人宅へ。途中で再び京都へ。

京都にはディープな本屋があると聞いてまずは見学に。「恵文社一乗寺店」。本屋さんなのだが雑貨あり、ギャラリーあり、で本の品揃えがかなり凝っている。アートからアングラ、デザインや漫画、純文学や絵本、洋書、雑誌など、雑多だがその手の本はかなり突っ込んだものまで揃えてある。うーん、京都、深し。

もう一軒、「ガケ書房」。こちらは残念ながら12時開店というので見に行けず。このような文化拠点としての本屋さんもまた、これから町再生に欠かせないものになっていくんじゃないかな。

恵文社で立ち読みしていると、京大前の老舗喫茶店に黒田辰秋が作ったテーブルとイスがあると知って、そこへ行ってみた。百万遍(京大前)にある「進々堂」。

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内部撮影禁止なのでそのテーブルお見せできないが、コレガ・・・良い!!! 分厚いナラ材のシンプルな長々方形。1枚板じゃなくて三枚を継いでいる。ちぎりは側面につけてある。漆塗り、それが長年のこすれで地肌が見えかかっている。外から店内を撮ってみた。

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なんでも店主が「学生たちが本を広げてくつろげるようなものを」と注文したらしい。このとき黒田辰秋は若干26歳。この骨太さ、シンプルさ。だがテーブル足の宝珠型のくりぬきに丹精な切味をみせるその繊細さ。さすがのちに人間国宝にまで上り詰めるだけのことはある。

それにしても、ナラ材の木肌の深みはすばらしい。クリでもなくタモでもなく、やはりテーブルはナラが王者なのだ。それを、黒田辰秋は十分熟知している。その広いテーブルにメニューブックも砂糖壷も、まったく何も乗っていないことがまたよかった。

京都、深し深し。

最後にもう一つ、「京都芸術センター」を見に行く。京都は駐車料金が高いゆえ(中心部では10分100円が普通)、路駐してYKを車で待たせて、私だけがカメラ片手に突撃だ。

小学校跡を改装してつくられた施設で、京都における芸術振興の拠点施設として2000年(平成12年)4月にオープン。管理者は(財)京都市芸術文化協会 。

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アーティスト・イン・レジデンスといって、海外からアーテースを呼んで滞在させ、制作発表の機会を与える、ということもやっているようだ。

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小学校跡地なので庭に二宮金次郎があったりして微笑ましい。カフェや図書館もある。図書館は小さいながら、古今のアート系に特化しており、ざっと眺めていたら寿岳文章(じゅがくぶんしょう/1900―92/英文学者)の『ダンテ神曲』のブレイク装画版があったりしてヨダレものだった(持禁だったけど)。

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追記:▼こちらのブログで黒田辰秋のテーブル(画集写真)が見れる。
http://miyazaki-kagu.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html

 


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