翌日は椹森へ。集落の一番手前にあるお宅のおばあちゃんに椹神社への道を訊ねる。今日はこの神社と、できれば山上の畑地を確認したい。堰堤工事中の沢から山に入り、上り道が見あたらないので右手の急斜面を上っていく。すると廃屋に出会った。2万5千分の1地図に黒ポチで載っているのはこの家らしい。
神社は見当たらない。林道のガードレールが見えたのでいったん道まで出ることにする。途中、この廃屋の持ち畑であろうと思われる石垣をいくつか越えていった。
林道はかなり立派なもので県林務部による「森林居住環境整備事業」のプレートがある。
沢にはいたるところ氷とつらら。
冬の猟期に歩くときは蛍光オレンジなどの服が必須。
集落に戻ると、昨年亡くなられた方の法要で慌ただしそうだったので、午後は取材を中止する。持倉の「御そうさま」の目的地である南牧村の黒滝不動へ行ってみることにした。
岸壁の下にお堂が建っている。奈良時代、行基による創建という古刹である。
私たちがお堂に近づいたそのとき、お堂から太鼓が響き、お経が唱えられた。終わるとご祈祷をお願いしていた老夫婦とともに住職が現れた。持倉の御そうさまのことはよくご存知であったが、古い資料は昔の災害で紛失し、詳しい内容は解らないとのことだった。
背後には3つの岩頭があり、それぞれ日の岩、星の岩、月の岩と呼ばれている。また、コンニャク農家の誓願による雨乞い祈祷が劇的に成功し、コンニャク石が奉納されたという。