住むための必要最小限の設備は、DIYを通じてほぼ終わった。が、和室の照明が未だ付いていない。これが難しい。何故かというと4.5畳なのだが天井が低く、ちょっと茶室のようでもあり、市販品ではサイズが大きすぎるのだ。
加えて床の間と床柱が特異なので、合うものが見当たらない(あっても高くて買えないと思うけどw)。また、床の間に飾るものに調和してほしい。
だから自作・・・なのだが、なかなか決定的なアイデアが浮かばない。和紙を使うのは決まりとして、骨組みはできれば竹を使いたい。が、繊細な骨組みを意中の形に組んでいくには相当な技量が要求される。
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冬になって囲炉裏暖炉の端で木竹をいじることが多くなってきたのだが、その端材などを触って組み合わせを考えているうちに、ふと閃いた。まず細い骨組みを作って穴をあける。
表面からではなく、側面にあけるのだ。
これを和傘と同じような骨組みにして6角形の傘をつくる。まずは上側の輪を真鍮の針金で作り、そこに竹を通していく。小さな2つのリングは電球に傘を掛けるときの支点になる。
骨組みを広げ、下の穴にやはり真鍮の針金を通して、6角形の形を決める。
およそ形が整ったら、上の輪を6等分して竹の位置をしっかり決め、竹の穴と真鍮の針金とを瞬間接着剤で固定する。その後、下の6角形の1辺が同じになるように正確に揃える。
和紙を用意する。植物が漉き込まれたものを使ってみる。のりしろを考えて作図するが、上の端と下の端は針金を巻かない。とくに上部はややツメる。バランスもあるが、熱を逃がすためでもある。交互に2枚重ねてカット。
木工用ボンドで竹に貼っていく。
まず、ひとつ飛びに貼る。
乾いたらカッターでバリをカット。
間の3枚を貼っていく。この場合、ボンドは紙側の端に付けて貼り、バリは切らない。
乾くまでの間に、ソケットに取り付けの針金とスイッチの引きヒモのリードを付ける(どちらも細いステンレス線、前者はダブル)。
ステンレス線を真鍮のリングに通してくるくると巻き、傘を固定。
余分な電線は3重に巻いて2カ所をタコ糸で止める。
引きひもは綿糸で鎖編み。長さを指定し、yuiさんに即席で編んでもらう。先端は竹の節のところを利用。
和室に降りて、設置してみる。天井はシナ合板、壁は聚落風珪藻土、柱はヒノキ。色合いがいい感じに合う。
傘の傾きを微調整して点けてみる。いいね、この部屋にピッタリかも♫
フレームに竹を使ったところがポイント、これだけですごく温かい感じになり、また和紙と調和する。
加えて真鍮の金色が意外やアクセントになって効果的なのだった。
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この和室の天井はヨシやアジロにせず、シナベニアで平凡に作ったのだが、その柔らかさがこの和紙と竹の明かりで活かされたように思った。
プロの建築家的な発想からはこのような明かりは生まれてこないだろう。工芸的な完成度がなくても、少しやわで、温(ぬる)くていいのである。そう思えば竹はまだまだ可能性のある素材である。
しかし、机上でいくらスケッチしてもこのアイデアは出てこなかったのに、この日、竹と針金をいじっていて突然手が動き出し、あっという間にできてしまったのだから、モノ作りというのは不思議なものである。
で、前にも書いたけど、照明器具は買うと高いけれど、自分で作ればタダ同然でできるのであったw。