朝から高曇りでどんよりと暑い。なにやら濃厚な虫の気配。カも多いのだった。キュウリを初収穫。庭のカキの木の上をすばやく旋回している虫たちがいる。捕虫網に入れてみるとルリジガバチだった。
スギとヒノキの小さな薪をつくった。中からクキイムシ(タマムシ類かも?)の幼虫が出て来た。地面に落ちたそれをすかさずアリがくわえて持ち去ろうとする。庭のラベンダーの株の下でオサムシがミンミンゼミの腹を食いちぎって食べている。
囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
朝から高曇りでどんよりと暑い。なにやら濃厚な虫の気配。カも多いのだった。キュウリを初収穫。庭のカキの木の上をすばやく旋回している虫たちがいる。捕虫網に入れてみるとルリジガバチだった。
スギとヒノキの小さな薪をつくった。中からクキイムシ(タマムシ類かも?)の幼虫が出て来た。地面に落ちたそれをすかさずアリがくわえて持ち去ろうとする。庭のラベンダーの株の下でオサムシがミンミンゼミの腹を食いちぎって食べている。
昨日、PCとの格闘に疲れ、ぼーっとしていた午前中、水戸の友人Wから電話。実はWからアトリエ周辺のカミキリムシ調査を頼まれていのだった。クワの古木に来る希少種がいるらしいのである。「そういえばルリボシカミキリが家に飛んできたよ」「そっか、ルリボシなんてしばらく見てねえなぁ、いい所だ」と嘆息をつくW。いま県北の山中で昆虫調査の真っ最中にケイタイでかけてきたようだった。
今日もオオムラサキを見た。なんたって環境省レッドデータブッック絶滅危惧種だかんね。それにしても毎日注意してみても4日目。この季節は日本の夏の真っ盛りに入らんといする時期。梅雨の終わりから梅雨空けのまさにその一瞬に、森の王者たる昆虫が出現する。森の宝石、ゼフィルスもしかり。
少年の頃の夏、これらのチョウを採ることは本当に大変だった。なぜなら、この時期は夏休み前であり、週末の学校休みの日にしか虫採りに出れない。オオムラサキに出会える可能性は一年に1~2回しかない。その日が雨である確率は高い。授業中の晴れた初夏の日に、窓から空と緑を眺めた日々を遠く思い出すのである。
前日、布団を干したせいか寝苦しく、明け方3時におきて新品のプリンタースキャナの設定をする。2万円代の製品なのだけれど性能は驚くほど向上している。とにかく速くて静か。前のプリンタは印刷時に心臓に悪いような物音がしたからね。それにコピーがさっとできるのがありがたいし画像もシャープだ。最近、近所の方々にコピーを頼まれたりすることが多いんだよね。しかし、機能が複雑に進化していて、マニュアルを読み込むのが面倒。前のプリンタを買ったのは2000年、もう5年も前のことだものな。パソコン進化の過程で5年といえば大昔だ。
朝、ミニトマトとインゲン豆、ジャガイモを収穫した。昼食兼朝食を食べ終える頃、Y先生来訪。キュウリを2本貰った。カボチャをイノシシに食べられてしまったそうだ。ウチのカボチャは不成績でまだ結実していないから心配ない。「でも、ウチの野菜って、後半に伸びるよね」「うん、カボチャもあきらめないほうがいいかも」などと相方と話し合い、さっそく雑草にまぎれたカボチャを助けに行く。
戻ると家の中からなんとオオムラサキの♂が飛び出してきて驚いた。ビールの空き缶の匂いにやってきたのか? しばらくしてまた飛来。こんどは家のテラスに止まり、口吻をのばして何かを吸っているようだった。オオムラサキの成虫は樹液が好きなのだが、この古い家の木材になにか似た物質が出ているのだろうか? これからしばらく観察できそうである。
昨日、ヒグラシ蝉の鳴き声を今年初めて聴いた。しかしY先生によれば、セミは極端に少なくなったという。セミばかりではなく近年ホタルもまったく見れなくなってしまった。ヤマセミやフクロウも多かったそうだが最近は見ないという。推察するに、原因は除草剤、農薬散布、中性洗剤の使用、自然水路が減ったこと、それに、森林荒廃で沢の流量が安定しなくなったこと。多肥料投入による富栄養化もあるのかもしれない。それから敷地の荒廃。放置された空き地は、この最もいい季節にクズやカナムグラ、カラスウリなどのツル植物に覆われてしまう。草刈りなどの手入れをしないと、植物相は逆に種類が減り、貧弱になってしまうのだ。
今の季節、屋敷まわりに様々な昆虫をみる。オオムラサキを観察している間にも、ルリジガバチ(いわゆる青蜂/セイボウ)の一種がクモを加えて歩き回っていた。青い金属光沢の身体を持つ美しい蜂である。屋敷のまわりはとくにハチ類とクモ類が豊富で、お互いにせめぎあっているように見える。山村の屋敷周りは昆虫の宝庫である。
ヘビやネズミが嫌いなら石垣をコンクリートで塞いでしまい、虫が嫌いなら家まわりに除草剤をまき、網戸と殺虫剤で害虫を遮断すればよい。そんなもので住まいを防御すれば、たしかにいっとき快適に感じるかもしれない。
しかし僕らは、オオムラサキが家に止まりに来る環境を愛する。ダイコンを塩とトウガラシで漬けておいたものを取り出してみた。やや発酵臭が感じられ酸味が出ていたが塩気が足りない気がして、中の水分を切り、味噌と塩をまぶして漬けなおした。石の重しと蓋をして、北側の涼しいところに置いておくことにする。実はこんな家の中は様々な微生物や有益菌のすみかでもあり、漬け物に最適な環境なのである。