寝坊してJ君に挨拶しそびれた。ジローさん、奥様、お世話になりました~。
すごくいい天気。根子岳がやっぱりすごい。
“阿蘇火口、押戸石(その7/黒川温泉、野風ムラ)” の続きを読む
囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
明日から九州へ旅します。もともとの目的は10/14(金)福岡マリンメッセの浜田省吾ライブなのですが、パーマカルチャーネットワーク九州&トランジション南阿蘇の山口さんが講演会+ライブを組んでくれました。
16日は熊本県の阿蘇高森「阿蘇フォークスクール」で講演します。新著の出版記念というふれこみですが、今回は紀伊半島の災害について人工林被害の詳細や、群馬での集落支援員の話しをします。お近くの方、いやもちろん遠方からでも大歓迎ですが、お待ちしています!
おかげさまで2009年に出版された拙著『山で暮らす愉しみと基本の技術』が先月6刷目の重版でついに2万部を突破した。この本はいま自然暮らしを目指す・実践する人たちにバイブルのように読まれているようだ。それから『図解 これならできる山づくり』『図解 山を育てる道づくり』も重版が決まった。『山づくりは』10刷目、『道づくり』は3刷目だ。しかし、いちばん売れて欲しいのは新著の『「植えない」森づくり』なのだが、この本はいかんせん敷居が高いようだ。
まず現状の林業についての知識がないと、本書の意味内容、価値を量ることが難しいこともある。また意味が解っていても、これまでの森林研究者や林業プロパーが、自らの位置を否定する本書を採り上げることはないと思う。しかし、何らかのかたちで山に関わりながら、日本の森林について何か釈然としない疑問を持ち続けてきた人たちには「目からウロコ」間違いなしの本である。ある人は「自分は自然を保護する活動をしてる!と思っている方みんなに読んで欲しい」と感想をくれた。
あらためて内容の一部を紹介しよう。
▼表紙カバー。
先日の台風12号、紀伊半島では決壊の恐れのある土砂ダムが計17カ所も。奈良県野迫川村北股で見つかった土砂ダム(○印)=6日(写真/国土交通省近畿地方整備局提供)。しかしまあ、よくもこれだけスギ・ヒノキを植えたもんだ。
予想していた通り、台風の雲は紀伊半島に流れ込み激甚な被害を与えてしまった。被災者のご冥福をお祈りすると共に、早やかな救助と復旧作業を急いでほしい。twitterにも書いたが、紀伊半島は急峻で深い谷が連続する。ほんらい伐ってはいけない原生的な照葉樹を伐採し、スギ・ヒノキを植えてしまった場所が、ものすごくたくさんある。強度間伐で混交林化していかないと大変なことになると、私は10年前から言い続けてきた。
今回、被害の多かった奈良県と和歌山県の人工林率(全森林面積に対してスギ・ヒノキ人工林の占める割合)はどちらも61%。そして三重は62%(全国平均は41%である。これでも多すぎるのだが・・・)。これはどういうことかというと、植えられるところはほぼ人工林化してしまった、というくらい紀伊半島は人工林だらけなのだ。
長年紀伊半島の山をフィールドワークしていた後藤伸さん(2003年逝去、同年第13回南方熊楠特別賞受賞)に言わせれば、
「なにしろ、紀伊半島というのは大変な多雨地帯です。山そのものが雨に対応できるだけの、ほんとは山そのものの生態にそれだけの能力があったわけです。ただ、植林によってそれを完全に潰してしまって、やがてこれが、今言ったように何十年か先は山の崩壊という事態を招くことになるだろうと思っています。そのときまで我々はどうするのか。大変な問題ですよね」(2000~2003年の講義より)
と、この事態を早くから予測していたのである。