コペンの旅/栃木・茨城篇


3日ほどアトリエを空け、墓参りの旅をしてきた。栃木の先輩宅、水戸の実家ほか日立、東海村、取手の叔父伯母宅を訪ねる。父の墓にはアトリエから持参した百日草の花を添えた。水戸の友人とも話す。また、今年『現代農業』の3月号から連載している「山暮らし再生プロジェクト」の連載コピーを届けた(6回分、24ページ)。これは8月に離婚して9月に山村の古民家に入居し、親戚にすら沈黙を守っていた僕らの、初めての近況・中間報告でもある。

コースは足尾から日光に抜け、宇都宮に出てから塩原元湯の秘湯へ1泊。翌日、烏山~御前山を通って水戸へ。翌々日は大子の月待の滝から里美~水府村を抜けて日立の父方の実家、東海村の叔父宅、取手の伯母宅へ。途中、相方の希望で日光東照宮と袋田の滝に立ち寄り、白幡八幡宮、新旧の茨城県庁舎と、常陸太田の西山荘も見てもらった。
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麦草峠


朝からメチャ暑い。コペンの車庫を見に行くと、しっかり日陰に入っていて涼しい(当たり前だけど)。よかった! ここ3日ほど、炎天下に放置せざるを得なかったから、気が気じゃなかったのだ。畑で草とりをしているとアトリエの建物の方から「電話だよー」と相方の声がする。東京のT氏から仕事の電話だったが「コペン買ったらしいっすね。モスグリーンかぁ、いいなぁ」などとコペンネタもついて出る。

今日は早めにアトリエを出発してロングドライブしよう! ってわけだったのだが、朝めしはなぜか「手打ち蕎麦」というややこしいものになってしまう。乾麺がきれていたが、蕎麦粉と出汁だけはある。ネットで蕎麦打ちの要領を調べたわけだね。でも途中でめんどくさくなり「とにかく水でねって切って茹でりゃいいじゃん?」と粉モノ担当にゴリ押し。でもやっぱり、ぼそぼそに切れた田舎蕎麦風になった。

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からむし織を追って


ミズバショウの季節に尾瀬に行くのを考えていたのだけれど、天気がよくない。ようやく畑仕事にくぎりがついた 15日、ちょっと出遅れて地図を仕入れて秘湯へ一泊。場所は栃木県の川俣温泉。ここから翌朝、尾瀬もしくは鬼怒沼へ・・・と考えたが、ここまで来たら福島県昭和村の「からむし織の里」を見に行こうということに。尾瀬はまたじっくり計画の後、ということで。

「からむし」とはイラクサ科の多年草で、この草から麻に似た繊維が採れる。昭和村は本州で唯一、からむし織が現役で残っている。木綿が普及する以前、遥か縄文時代の昔から利用されていた植物繊維で、日本の山村ならどこでも普通にみられる。群馬の山村でもカラムシの成長は旺盛で、とくに石垣の天端にはまるで柵のようにカラムシ群落が立ち上がっているのを見る。昨年、薪ストーブで細かな雑木を燃やしているとき、カマで刈って棄てておいた乾いたカラムシが混ざっていた。その繊維を剥きとって、強靭なこと、繊維の透明感に惹かれるものがあった。どうやって糸を紡ぐのか、その布はどういうものなのか、実際にこの目でみて触れてみたいと思っていたのだ。

丸沼、戦場ガ原、光徳牧場と進んで峠を越え、延々の下り道にうんざりしかけた頃、ようやく奥鬼怒川俣温郷に到着。鬼怒川最源流の流れに突き出した露天風呂は広々として良かった。翌朝、五十里湖を過ぎて「巻き枯らし間伐」の山が現れる。藤原町の森林組合の仕事だろうか。栃木でもこの施業が普及しているようで嬉しい。

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野生のウドと渋川のソースカツ丼


朝の散歩で移植しておいたウドを採取。スーパーに売っている白いのじゃなくて緑でごわごわの毛が生えているが、根元に近い所の皮を剥くと白っぽい柔らかな茎が現れる。香り高くほのかに甘苦い。それをスライスして新タマネギとレタスのサラダを一品。

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霧積、桐生


仕事のデータを送ったその足で、軽井沢に近い霧積温泉に行った。たしかにここは秘湯だナ・・・。硫黄の臭い、お湯はかなり効きそう。水車があって、森村誠一の『人間の証明』で有名になったところらしい。素朴でよかったです。

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