コペンの旅/栃木・茨城篇


3日ほどアトリエを空け、墓参りの旅をしてきた。栃木の先輩宅、水戸の実家ほか日立、東海村、取手の叔父伯母宅を訪ねる。父の墓にはアトリエから持参した百日草の花を添えた。水戸の友人とも話す。また、今年『現代農業』の3月号から連載している「山暮らし再生プロジェクト」の連載コピーを届けた(6回分、24ページ)。これは8月に離婚して9月に山村の古民家に入居し、親戚にすら沈黙を守っていた僕らの、初めての近況・中間報告でもある。

コースは足尾から日光に抜け、宇都宮に出てから塩原元湯の秘湯へ1泊。翌日、烏山~御前山を通って水戸へ。翌々日は大子の月待の滝から里美~水府村を抜けて日立の父方の実家、東海村の叔父宅、取手の伯母宅へ。途中、相方の希望で日光東照宮と袋田の滝に立ち寄り、白幡八幡宮、新旧の茨城県庁舎と、常陸太田の西山荘も見てもらった。

コペンの走りは上々で、カーナビの導入は道探しのストレスから開放され、脇道の景色もじっくり観察でき、大正解だった。最終日、早朝7時前に出発しアトリエに着いたのは深夜の12時ちょっと前。相方と交代しながらの走りだったが、狭いながら不思議に疲れにくい運転空間と、エンジン・足まわりの性能はすばらしい。というわけで、コペンの距離計はすでに1,600kmを超えた。

最近のここ5年で車の性能は飛躍的に進歩したといわれる。デザインの美しさという喜びを得ながら、車と一体となり、運転していることすら忘れ、空中や水中を思いのままに動いているかのような感覚さえ生まれる。これは、インターネットやグラフィックソフトを駆使して、PowerBookG4で仕事をしているときの感覚に似ている。人間のほとばしる感性のまま、道具が美しく完璧に機能していくのだ。ある意味、これは「光の時代」への準備なのかもしれない。

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権力の退廃建築という意味において、よく似ている東照宮と新茨城県庁舎

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水戸にある旧水道塔、旧茨城県庁舎。作り手の情熱と瑞々しさが伝わる

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袋田の滝。今回は水量が多くて見事。水戸光圀の隠遁した西山荘にシュロの柱を発見

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水戸弘道館、徳川斉昭の歌が彫られた「要石(かなめいし)」の前で


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