「大地の再生」南山城村リンダ邸(3日目/前編)


3日目、最終日。朝、昨日の水脈溝の仕上がりを確認する。大きな建物の裏側、厚く打たれたコンクリートを剥がして地面を出し、その上に炭・割り竹が入り、枝と、押さえにもなるコンクリートガラを少し戻してある。

写真左が昨日の午前中の同じ場所。右がアフター(今朝)。雨の時はここが排水溝にもなるが、長年無酸素状態だった斜面のガスを抜き、上部の丘(Mさんにの畑)と繋がった効果も大きい。この中にはコルゲート管は入っていない。コルゲート管は水量が集まるところ、しっかり排水を促したいラインに入れるイメージだ。

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「大地の再生」南山城村リンダ邸(2日目/後編)


さて、矢野チームが斜面への歩道取り付きを一段落して鋼矢板のある下に降りたところまでレポートしたわけだが、その間に他の参加者は何をしていたのかというと、大地の再生スタッフの指導のもと、崖崩れ上部の平地に水脈を入れていたのだった。

全部で3本の水脈が切られ、中に炭・コルゲート管・有機資材(竹・枝葉など)が配置される。屋根や上部の農地の雨水がこれらの水脈溝に集まって、崩壊斜面へと排水される。重要なのは斜面に落ちる手前で大きめの点穴を配備しておくことだ。

一気に全部放出させると崖の天端の土を削って泥水を出してしまう。いったん手前で点穴を作っておくと縦方向に浸透し、泥濾しのクッションにもなる。

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「大地の再生」南山城村リンダ邸(2日目/前編)


リンダ邸2日目、Mさんの古民家前に集合して今日の予定を確認。昨日の見回りと草刈りなどで地形や水脈の全体像がわかった。あとはどこに水脈をレイアウトして薬師川に落とし込むのか。

脈が全体につながることに集中する。すでに崩壊斜面にはいく筋かの水脈ができているが屋根排水が集中する場所、U字溝の勾配に無理がある場所も見受けられ、そこからの排水溝をうまく斜面につなげる配慮が必要になる。

施工は「場」という器があって、そこに「人・材料・道具」という内なる環境でエネルギーをかける。そのとき自然の(空気や水の)脈をふさがないということが大事だ。そして作業中、人の動線もふさがないこと。なにしろこの敷地に40人超の人が動くのだ。怪我のないように・・・「物を置く」「人が動く」この作法が行き渡っていると、身が守られる。そんな注意が矢野さんから述べられる。

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「大地の再生」南山城村リンダ邸(1日目)


崖崩れの現況。右端がリンダさん。正面がリンダさんの小屋。左に道路と鋼矢板が見える。これは仮設工で役場側が立ててくれたもの。道路の向こうはすぐ沢になっている。

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京都、南山城村「大地の再生」講座へ


久しぶりに「大地の再生」の講座を取材に出かける。その前に原稿1本、ある機関紙に「大地の再生と里山整備」について書くことになった。いまどき普通のライターはどんな入稿方法をとっているのか知らないが、僕の場合はインデザイン(Adobe InDesign)で誌面と同じレイアウトに文書を流し写真やイラストを入れるので仕事が早い。

PDFの原稿を編集部に送り、取材は明日から3日間あるのでノートPCにデータを入れて出発したのは16時過ぎ。行き先は京都府の南山城村である。京都府の南東端にある京都唯一の村で、お茶の産地で名高い。現場には21頃着。なんとか前入りできた。すでに数名が集まって宴会の只中。テーブルには琵琶湖の小鮎の煮物や・・・

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