ナルちゃん/Y先生の山村物語


このH集落界隈はオミナエシが群落をつくっている。それは集落のOさんが植えたもので、手入れをずっと一人でされていたのだが、そのOさんが病に倒れてH集落を離れてしまったのは昨年の春。オミナエシは草刈りなどの手入れをしないと他の草に埋もれてしまい、おそらく衰退していく。Y先生と「なんとかしたいですね」と僕らは相談していたのだが、今日の午前中にその作業をやることにした。朝8時過ぎから昼までみっちり。全部はやりきれなかったが、Oさんのオミナエシ分布の全体像がだいたいわかった。しかし、これを一人でこなしていたんだから、まったくOさんは凄い人であった。

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『麦秋』1951


今日は集会所の掃除。石垣に1m以上あるアオダイショウの抜け殻を発見! このような集まりでお年寄りたちから話を聴くのは大きな楽しみである。

午後から高崎へ。TSUTATYAで小津安二郎監督の映画『麦秋』のDVDを借りてアトリエに戻り、PowerBookG4で観る。新作紙芝居のヒントが得られるという直感があったのである。僕は映画はあまり好きではないが、古典にはさすがに良いものがある。

『麦秋』は1951年、僕が生まれる8年前に公開された映画である。小津の映画はそのカットがエドワード・ホッパーの静謐な絵画のように、構成的であり、美しい。さらに、その風物に、昭和のまだ高度成長期に入る前の、最後の残照的な美しさをみることができる。

北鎌倉、原節子、主人公が洋風ナイズされたキャラなんだけど、大和撫子的に、結婚を選ぶ。それが小津の強烈なメッセージなんだろうな。キャストそれぞれが、抑制の効いた、それでいて輝く演技である。麦をキーに、さりげない暗喩が、しんしんと心に染みてくるのである。

で、何を学んだかというと「自分の信じたことをやればいい」ということである。

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キャベ餃子


相方と歌合わせ。ギターの練習をしているうちにボサノバのベースラインがずれてしまっていることに気付く。ボサノバギターは右手親指のベースを正確に等間隔で刻まねばならない。難しいなぁしかも弾き語りするとさらに難しくなる。相方に注文つけておきながらこれではイカン。必死に修正練習2時間。

自家製キャベツとミツバを入れて餃子をつくる。冷やご飯をおかゆにしてのせて食べる。東南アジア風だね。これもウマイねぇっ。食後は友人に貰ったハスの花入りの茶。これも合うね♪

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神流川なつかし物語


明け方に起き出して、前夜にできた曲の仕上げ。一気に4番まで詩を書く。いい曲ができた。相方の声にぴったりのマイナー調のバラードだ。さっそく相方に歌ってもらい、若干の修正を加える。

相方は音感・耳がいいので新曲をすぐに覚えてくれる。が、前曲のボサノバは苦戦している。歌いかたの雰囲気は出てきたけど、8ビートのポップスや演歌にいちど染まってしまった人が、ジャズやボサノバの「ノリ」を体得するのは並大抵ではない。これらのビート感覚は、頭で理解してやろうとしてもダメなのだ。スィングしないのである。

微妙なシンコペーション、アクセントのズレやひねり、これは音符では現せない。与えられたものを消化する、という感覚ではダメで、自分から自然にわき上がってくるものが大事なのだ。とにかく聞いてもらって、体得してもらうしかない。
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新曲完成、モンキアゲハ飛ぶ


朝、Y先生の奥様が来訪。9月のららん藤岡での個展の打ち合わせをする(8月下旬の予定が9月中旬に変更になりました)。写真を30点出展してくださるそうだ。個展のタイトルは「山暮らしと花」に決まった。僕はアトリエでの花のスケッチを中心に、それを相方に表装してもらって出展する予定。それといっしょに、ずっと昔に取材した日本アルプスの高山植物のスケッチなども展示したいと考えている。その後、前々日に雷で中座していたY先生の敷地の草刈りを仕上げにいく。

新作紙芝居の原稿を書く。夕刻、またアイデアが生まれて、新たに曲をつくる。なんと30分くらいでできてしまった。作詞作曲は、悩むときは1日じゅう悶々と悩むが、できるときはこんなもんだ。『繭の音(まゆのね)』というおカイコの歌だ。

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