灰がつなぐもの


草取りの変遷


春から始めた畑仕事、石垣に囲まれた山村の、石ころだらけの傾斜地という特殊な場所ではあるが、畑の草取りをしながらいろいろ思ったこと。基本的に僕らは無農薬・無肥料・草との共存、という徹底した自然農をイキナリ目指している。が、周囲の方々との関係もあり、あるていど妥協しつつ、様子をうかがいつつやってきた。まあ、初めての畑仕事ということもあり、なにが本当に正しいのか? さっぱり解らないまま、自分たちの汗と感覚から生れ出るものを信じて進むしかないのである。

さて夏になり、草との戦いを経て、この「草取り」なるものが時代によって大きく変遷していることに気づかされた。いま、過疎に悩み人手のない山村では、エンジン機器を使ってさえ草刈りが間に合わない。かつて、若い男手がたくさんあったときは、もちろん大カマで手刈りしていたのであるが、今や除草剤を使わざるを得ない場所も出てきたのである。除草剤 は今どきホームセンターでも売っているけれども、草を枯らすだけの毒があるなら、動物にも害をおよぼすには違いなく、実際にこの集落でもホタルがまったく見れなくなった、というのはこの除草剤の使用も影響しているだろう。
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読書、バルサミコ


連日、敷地と畑の草刈り。ミョウガの初収穫。今期は十分に草刈りの手入れをしていたので、ミョウガがすこぶる元気である。これから秋まで、売るほど穫れてしまうだろう。カボチャのつるを誤伐してしまう。こぶし大に結実していたのに残念。ところがこの未熟のカボチャをかじってみると甘くてなかなか旨い。ズッキーニに似た味なのだった。石垣のきわに植えミニトマトが順調に実をつけ、毎日数個づつ完熟の実を食べている。

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ヒマワリ


旅から戻ると、ドッヒャーっと草が勢いを増してはびこっている。山の盛夏に3日空けるとは、そういうことである。まずは敷地の草刈り。その後、畑に行くと、つぼみだったヒマワリがほとんど開花してこっちを向いている。「おかえりなさい!」と言葉を投げかけられているようで嬉しかった。

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コンクリート打ちっぱなしvs土壁


台風の雨。みなさんの所はどんな具合ですか? アトリエではバケツをひっくり返したような豪雨が断続的に続いてる。家屋の水はけのチェックや畑、水路の様子を見に行く。ネットでニュ-スをチェック。その後は読書。いや~、晴耕雨読ですね。

「いまの建築は人間をだんだん疎外しながら進行している、単に寒さや暑さから人間を物理的に護るのではなくて、建物自体が人間の生命と深く結びついた状態で建てられなくてはならない、そうでなければ、本当に人間を護る建物はできないのではないか」

「土壁や漆喰壁というものは、元来、人々を魅了するエネルギ-のようなものを発しているのではないかと思います。それは、壁を塗るために必要な『水』という媒介によって、『うるおい』という感覚が人々に伝わるからではないでしょうか」

「われわれが扱う土と水とは、人間の生命の根源として考えなければならない素材です。人間の生命に最も近い土壁が、人間から離れてしまっている。われわれは、土と水で包まれているような建築を、もっと考えていくべきだと思います」(以上、『壁の遊び人=左官・久住章の仕事』久住章+語り/世織書房より)

建築家、長谷川敬さんの著書で知った「カリスマ左官」久住章(くすみ・あきら)さんの仕事を『現代農業 増刊』の取材で、京都の「地球デザインスクール」を訪れたとき見ていた。ガラスとコンクリ-ト全盛の近代建築に根底からの改革をもたらす大きな可能性を、この久住さんの本を読んで強く感じた。

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水と野菜


花粉症の次は・・・西日本で水不足。人工的に雨を降らせる実験を、などど昼のニュースでやっている。一方で集中豪雨の土砂災害。昨年大被害をおこした三重県の宮川村では、避難勧告を早めに出すにはどうしたらいいか、なんて反省をテレビで流していた。なんとも悲しい対処療法だな。花粉症も水不足も、土砂崩れも、根本治療には「森」に目を向けなきゃいけないんだけど。

連載原稿の仕事でネットで調べもの。でも無肥料の農業サイトとかを読んだりして夜更かし。農の世界もおんなじだ。根本治療しなけりゃいつまでたっても堂々巡りだよね。以前に資料を送ってもらったNatural Harmony 河名秀郎さんの

身体にいい伝統食

時代が求める本物の食をあなたに(リンク切れ)

この『身体にいい伝統食』ページの中で、野菜を使って天然酵母をおこし、料理に応用する話がおもしろかった。

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