雪とコブクロ(17.宇高フェリー~亀岡)


ホテルを出るとなんと雪が降り出していた。高松で雪を見るのは初めてのことだ。宇高フェリーの船上でも雪景色。島の山には積雪し始めている。

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焼き物巡礼(12.小鹿田焼窯元~礼湯~萩)


田辺さんにふられて予定が狂ってしまった。そこで焼き物を買いに行くことにする。以前から気になっていた小鹿田焼の窯元に行ってみる。

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日田の山あいにある小鹿田。これで「おんた」と読む。知る人ぞ知る生活雑器の名品がここで生まれる。それも昔とまったく同じ技法(唐臼の土搗きと、薪を使った登り窯)で。

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石見銀山と大森集落(5.〜山口〜九州宗像)


世界遺産になった石見銀山。いったい何がそこを世界遺産にさせたのか? それが知りたかった。

まず銀の産出が全世界の1/3量というスケール。そして近世でほぼ閉山したので、近代技術の波を受けておらず、昔の佇まいがそのまま残っていること。さらに環境に配慮して、山林を持続させながら山を守り続けたこと。この最後の「環境配慮」が、けっこう効いているらしい。

車でその山と銀山の坑道の入り口などを眺め、駐車場(無料)に止めて大森の町並みを歩く。そして世界遺産センターで銀山関係の資料を見て回る。

面白かったのは銀の精錬方法に「灰」が使われていたことだ。最初、鉛との合金をつくり、それを溶かして灰に転がすと、鉛は灰に吸着して銀の純度が高まる。しかし

「鉛には発がん性もあると考えられているので、坑道内の出水・高温多湿や鉱滓・煤塵などの劣悪な環境も相まって、当時の鉱夫は短命であったといわれる。大森地内に各宗派の寺院が多数あることや、古文書の研究からその平均寿命はおよそ30歳程度であり、家族構成はその多くが独身もしくは夫婦のみ、と伝えられている」(Wiki)

というような記述は、世界遺産センターの展示では、しっかりはしょられている(笑/足尾銅山と同じだ)。

大森の町はタイムスリップしたような佇まい。石州瓦のレンガ色、黄色い土壁、錆びた杉板。材が細く華奢な住宅が多いのは、大火で焼けた後、急ごしらえで造られたからという。

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京都の銭湯(2.浜松〜亀岡)


浜松の「コメダコーヒー」でモーニング。東の人間は知らないだろうけど、関西には喫茶店文化というものがある。深煎りの旨いコーヒーが380円で、それに頼めばバタートーストとゆで卵がタダでつく。コメダはチェーン店を関東まで延ばしている。群馬に来る日も近いだろう。店の内部は無垢の木の内装が使われている。壁や天井は節だらけの杉。トイレの手すりはタモというこだわりよう。

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悲しみの二風谷(3日目、アイヌ博物館にて)


朝食をごちそうになり、茶の時間になるが、Uにポストカードなどを見せつつ喋っているうちにバーボンの封が切られる(笑)。この10年間にyuiさんとともに様々な個展活動を展開してきたわけだが、Uには案内状を送らなかった。「オレには個展のハガキは来なかったぞ!」とUが言う。

「それは仕事のあるUが北海道から来られちゃ、申し訳ないと思ったからさ」と、私は言った。しかし、本当の答えは、その期間は本当の自分ではないと思っていたから、Uにはその姿を見せたくなかったのかもしれない。

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