関西はだし文化で薄味などと思われているが、全然ちがう側面もあるんだな。ソース文化である。広島のおたふくソースが関東のスーパーでも売られるようにもなったけど、ねっとり甘く旨味のあるソースが粉ものや肉系に強力な方向性を与えているわけです。
まあ市販ソースかける料理はいわゆるBグルなわけだが、旅の途中、外食でいろいろ観察できるよね。
名古屋の「矢◯とん」はイマイチだったけど大阪ジャン横「八◯勝」の串カツは秀逸だと思う。|1|2|
関西の肉系Bグルでもう一つ気になるのは「トンテキ」である(あと加古川のかつめしもありますな♬)。下道で東と西を行き来して四日市の辺りを通るとトンテキの看板が目につくのだが、時間的に合わなくていつもスルー。
トンテキというのは、ようするに豚ロースを焼いてソースをどろどろに絡める料理らしい。が、これだけ流行ってきているのは何か美味しさの理由があるはずなのである。いろいろ調べてみると、次の二つのYouTubeが示唆的であった。
ていうかこれらのYouTube見ているうちに無性に作りたくなんたんだけどネ(クッキングSパパさん、えだ豆君、アリガトウw)。
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で、高松は仏生山、醸造「吉の酢」の老舗、神崎屋の「ヨシノソース」を入手したので作ってみました(神崎屋|1|2|)
追いガツオならぬ追いスパイスとして赤唐辛子、クローブ、クミンを用意。これはヨシノソースを味わっているうちにふっと浮かんだもの。たぶん、合うハズ。
スパイスを料理バサミで細かく切って、オリーブ油で冷温から弱火で炒めていき、さらにコショウをがりがり。唐辛子の赤みがくすんだ頃、ヨシノソースをどばどばと大量投入。醤油を少し、みりんを少し入れ、水を足して弱火で煮つめていく。それを冷ましてしばらく保存。これで、ソースの味が合体して馴染む。
ニンニクは塊のまま。ロースの脂身を少し切り離し千切りにして、オリーブ油に泳がせる。
冷温、弱火から徐々に温めていく。ときにフライパンを斜めにしてニンニクを深く入浴させる。
油が熱せられ、ニンニクにかすかにきつね色が見え始めた頃、脂身片が縮み始めた頃、肉本体を投入する。
肉は豚ロースの厚切り。塊を買って自分で切るのがベストだ。とんかつ用では薄い。1.5cmはあったほうがよいと思う。柔らかいまま、火を通すのがトンテキのきもだ。一般にトンテキではグローブ状に切るのだが切り離してやってみた。ここで重要なのは、肉を室温に戻しておくこと。冷たいままでは火通りが遅れる。フライパンに入れる直前に塩コショウする。
少し火を強め、肉に両面焼き色がついたところで(中はまだ生)酒を多めに入れる。アルコールを飛ばしたところで弱火にする。
作っておいたソースを投入する。蓋をして弱火、肉の芯まで火が通ったところで修了。肉に火が通ったと同時に、ニンニクがいい感じに柔らかく煮えている。
キャベせんを大量に盛り上げ、とき芥子を添えて。
柔らかいロース肉に香辛料の効いた甘辛ソースが抜群に合う! 大量ニンニクが意外に違和感なく美味しい。ニンニク臭と辛みはほとんど感じない。で、ソースにからめて食べるキャベせんがメチャウマ!!!
私は「豚生姜焼きはショウガ肉汁だれでキャベせんを食う料理である」という持論を持っているのだが、この大量ソースはキャベツを食うためにある。美味い。
というわけで、あわててキャベツの千切りを切り始め追加w。キュウリとプチトマトも追加。マヨネーズも合います。ソースの隠し味、赤唐辛子、クローブ、クミンが効いて正解、いい感じ。
これは、ぜひともまた作りたい(yuiさんのご実家のキッチンをお借りしました)。
高松にはトンテキの店はまだない。