雨が全くというほど降らない。これだけムシムシ猛烈に暑いのに、夕立がない。加えてコンクリートジャングルの高松市内、ほぼ間違いなく全館全戸が冷房しているので、排気の熱風がそこかしこを舐め回している。
道行く車もほぼ100%冷房をかけているので車道は熱風の通り道になっている。とくに午後3時から4時あたりが凄い。道や建物の蓄熱が完全放出状態となり、加えて午後の力強い太陽が全身を刺す。4時、5時になっても陽が高い。ここでは夕暮れや夕涼みなんてものがない。
以上は群馬の山間部から引っ越してきた私の、高松の夏の感想である。

3年目の今夏は「瀬戸の夕凪」という言葉を実感した。風が入れ替わる夕刻に風がピタリと止むのだ。これは陸上と海水の温度差が小さいせいらしい。
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港へ。島からのフェリーが入港中。

港の公園にはアメリカデイゴの花が爛々と咲く。オリーブの木もたくさん植えられている。

さて、今年の夏は港のサンポート地区に「ベンガル島」というアート工房が作られている。バングラディッシュの物づくりの職人、パフォーマーたちが7/20~9/1までの間100人以上来日し、様々な公開製作や音楽やダンスなどのパフォーマンスを見せてくれるのだ。瀬戸内国際芸術祭の一環ということらしいが、入場は無料だ。
手彩色のリキシャ。

ノミで彫られた銅壷の細工。

ショケール・ハリ(装飾土器)。ヒンズー教の祭事に用いられる。

籐細工。藤はバングラディッシュを代表する植物。

リキシャ・ペインティングは1959年代に始まったとされる。素朴派アンリ・ルソーの雰囲気が漂うが、色彩はポップ!

民族楽器バシ(竹笛)を製作中。手回しふいごで炭を熾し、熱された鉄棒で焼きをいれ指音穴を広げていく。

ことでんバスにペイントの公開製作が。

野外会場の中に、木製パネルでブースが作られている。

夕刻は様々なパフォーマンスが演じられる。

ラロンの歌。歌声も良かったが伝統楽器の音色とリズムがすばらしい。とくにバシの表現力の豊かさに驚く。

アート工房のファサード。ここでパンフレットを貰い、リキシャに乗せてもらうこともできる。

港は夜も暑いのだ・・・。波がぜんぜんない ┓( ̄∇ ̄;)┏

夜景はキレイなのだが、あのビル内はすべて冷房され、反作用として熱風を吹き出しているわけで・・・。

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ここで紹介した他にも貝細工や木人形など職人仕事がたくさん見られ、瀬戸芸に参加している現代アーティストのアートライブも展開されている。思わず足が止まったのは瀬戸内の伝統的な和船「足伝馬」を再現製作しているブースだ。

今回のために徳島で切り出したスギ材を使っている。

これまでの工程は主催者のHPで。
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それにしても、この暑さで公開製作する職人さんたちは大変だろう。もう少し涼しい会場設定を工夫できなかったのだろうか? なにしろ町中からここに足を運ぶのもためらわれるほど暑いのだ(だから日中のお客さんは少ない)。
ベンガル島は9月1日まで。最終日は展示見本品などが会場広場でオークションにかけられ販売されるそうだ。