高松城の石垣の修復現場の見学会に参加。石割り体験もあるというのでそちらも申し込んでおいた。今回の見学場所は玉藻公園内にある「地久櫓台石垣」。
高松城は全国でも珍しい海城で、城の北岸は明治以降埋め立てられるまでは海に面していたそうだ。お堀の水は海水であり、フグの子供が泳いでいるのをよく見かけるし、マダイが飼われていて、餌をあげることができる。
手前の修復が終わった石垣が天守台。市ではここに天守閣を造りたいらしいのだが、資料がみつからず文化庁の許可が取れないらしい。
図面・写真と同じ位置に収めて、バールで微調整し、すき間にかい石を入れていく。
栗石はモッコで吊っていた。クレーンがあるからラクでいいね、昔は人力だものね。
新しい石には「新石」の文字が。材は花崗岩と安山岩が使われており、花崗岩は地元の名石である庵治石が使用されている。この石垣のサイズだと1日に3~4個しか積めないそうだ。
もういちど古い石垣を回り込んで、石割り体験の場所へ。
ここの石垣は海の水なので干満の差によって水圧の変化が大きく、盛土そのものに粘着度が足りず、また本来あった建物がなくなり雨水の浸透があること、などなど石垣を傷ませる要素が多い
広場にはナンバーのふられた解体石が並ぶ。
こちらは私たち体験者が割る新しい石。割った石は栗石として石垣内部に収められるそう。
ドリルで穴を開けてあり、そここにセリ矢という道具を差し込んでハンマーで叩いて割る。
道具さえあれば少年の力でも簡単に石が割れてしまうのだ。複数本のセリ矢を均等に叩いていくのがコツ。石粉が跳ねる危険があるので、マスク、ゴーグル、手袋が手渡され、それを着けて。
セリ矢が効いてくると金槌を叩いたときの鈍い音がだんだん高い澄んだ音に変わっていく。そして一瞬にして亀裂が走る。
記念にサインを。これが石垣の一部に。
いい機会なので石工職人さんに石の目の見方を教わる。
花崗岩の原石玉には石が最初に冷えて固まった面がある。その表情はさざ波がなく均一なのでよく解る(手で触っている部分)。石はその面に直角に割れようとする。親切に教えてくれたのは小豆島の石職人さんだった。全国の文化財石垣修理にいろいろ行っているそうだ。
追記:翌日の朝日新聞に写真と名前が載ったようです。