ドーハからバルセロナは約7時間のフライトだが、到着は1時間ほど遅れた。この間はやや慣れてきて少し眠ることができた(一応アイマスクや耳栓を用意していった)。空港でeSIMの設定をすると無事に繋がって一安心。ベンチで荷物をまとめ、靴に履き替えてゲートをくぐると小川さんが待っていた。
まずは僕の予約した宿まで行こうということで、小川さんに導かれるままに切符を買い、地下鉄で街の中心部へ出る。階段を上がると燦々と陽が輝く青空の下に美しい石の街と街路樹が待っていた。街路樹は僕の好きなプラタナスだった。建物も古いデザインですばらしい。バルセロナはいっぺんで魂をわしづかみにするような街だった。
▼ショート動画をどうぞ。
https://youtube.com/shorts/1XWr_m-wC38?si=b5vzwA12otOoVs6A
道すがらさっそくガウディの建築が現れる。カサ・バトリョである。曲線や装飾が美しい。今日はとりあえず外観だけだ、まずは宿に急ぐ。
ガウディは2年をかけて(1904~6年)このカサ・バトリョの外観と内装を海・池・水というテーマでリフォームし、「コウモリの家」、「あくびの家」というニックネームが付いている。現在は家主が変わりベルナット家の所有。2002年にはじめて公開され、現在はユネスコのバルセロナ世界遺産に登録。
さてバルセロナは普通のホテルはやや高いので(1泊2万円前後)、2段ベッドの相部屋で泊まるドミトリースタイルの宿を3泊分予約した。期待はしていなかったのだが、意外や宿は古いアパルトマンをリノベした古いが素敵な建物だった。
僕は最初の海外旅行(今から35 年前、30歳のとき)でパリを訪れたとき、それまで建築にまったく興味がなかったのに、バスからパリ市内に降り立って石の建物を見た途端、一気に建築に目覚めてしてしまい、それから建築の写真ばかり撮っていた。
そしていつか古い石のアパルトマンの中を覗いてみたいなと思っていたのだ。バルセロナの宿でその願いがいきなり叶ってしまった。
しかし、なんという凄い建物なのだろう。この天井の高さ、装飾の豊かさ・・・。このような建物が、ごく普通に街中に多数存在するのだから驚きである。
階段を上がると重厚な木のドアがあり、そこが宿の受付だった。
共同ルームに暖炉があった。例によって燃やされた雰囲気はない。
+10 % の消費税/VAT 込 € 14.47
○合計料金 € 159.21(26,430円=8,800円/日)
宿に荷物を下ろし、身軽になって草履に履き替えて再び街を歩く。路上のカフェ席で小川さんと乾杯(お酒をやめた僕はアイスコーヒーで♫)。
小川さんは凄腕の大工で、兵庫県の現場で初めてお会いしたのだが、食にも関心を持たれていて、パン作りにもハマってしまい、「トロワぱん(腸が喜ぶパン屋)」という名で製造販売している(こちらにパートナーの智実さんのパン作りが紹介されている/YouTube動画もあり)。
8月中のフランス南部でのパン修行がちょうど終わり、次の目的の商談(小川さんは薪ボイラーの輸入販売もされている)で東欧に向かうまでのオフ期間がちょうど僕のバルセロナ滞在とピタリと合ったのである。
というわけで、今日明日の2日間、行動を共にすることになった。小川さんはカタルーニャ広場近くにホテルを取っている。夕刻、小川さんと別れて一人で宿までの道のりを散策した。昔、パリを歩いたときは日本橋の丸善でミシュランのパリの1万分の1地図を購入し、それに登山用のシルバーコンパスを持って歩いたものだが、今はGoogleマップがある。
そのGoogleマップもiPhoneの初期の頃はバッテリーがすぐになくなってしまい使い物にならなかったが、今や隔世の感がある。
Googleマップを頼りに、写真を撮りながら、ときおりノートにスケッチメモを書きながら、宿に向かってぶらぶらと歩く。
ともあれバルセロナは美しい建物が多く、街路樹と広場がすばらしい。ベンチでくつろぐ人たち、カフェの外席でビールやワインを飲み交わす人々、ああスペインに来た・・・。いまは酒をやめてしまったので飲まないが、昔ならハシゴして深夜まで飲んでしまったことだろう。
小さな公園の中にある彫刻もいい。
電動自転車が貸出制に? その駐輪所のようだ。
石の建物に木のドアやガラス、鉄柵がよく似合う。ここにどんな現代が交錯しているのだろう? あと2日、この町に滞在する。
明るいうちに宿に戻り、パティオ(中庭)のテーブルでスケッチに色塗りし、帰りにパン屋で買ったサンドイッチを食べた。
宿の客は若い人たちばかりで日本人(東洋人)は僕だけだ。8人共同の部屋の2段ベッドの下の位置だった。足元に引き出しがあり手持ちのカギを掛けれるようになっている。100円ショップで購入しておいた番号キーが役に立った。
明日は目玉のサグラダ・ファミリアへ。