23年ぶりの海外旅行・スペイン〜フランス〜イタリアへ/ドーハ・ハマド空港


ドーハの空港に着いたのは日本時間で明け方の5時頃、およそ10時間のフライトだった。この間、機内食が2回。エコノミー席は前席との間が狭く、この10時間はかなり辛かった。

2回の機内食はこんな感じ。テーブルも狭いので食べる姿勢の確保もけっこう大変。身体の大きな西洋人たちがこのシチュエーションに平気で耐えている姿を見るのは不思議な気がした。

空港内の現地時間は23:30。腕時計の針を動かして直しておく。iPhoneは「日付と時間」の設定を「自動」にすると瞬時に「ドーハ」と文字が出て時間が変わるのだった。驚きである。

トランジット(飛行機の乗り継ぎ)は最初の海外旅行のとき経験しているが、とりあえずトコロテンのように押し流されるのに身をまかせつつ、制服の係員を見つけて行くべき方向を聞きながら、電光掲示板で次の行くべきゲートの番号を確かめながら、歩いていく。

ゲートを抜けるときに厳しいチェックがあり、僕の前のオバさんは化粧品のチューブが没収され、僕も水の入ったペットボトルを捨てさせられた。

ゲートから階下に降りるとかなり広い。そしてシルバーのパイプと人工皮革様の、美しく座り心地の良いイスが並んでいる。イス並びの間にある荷物置きの台にはコンセントがあり、フライング・ガイドのQRコードが着いている。さっそく持参した海外仕様のコンセントを差してiPhoneを充電してみる。空港内のフリーWi-Fiも繋がって快適である。仕事のやり取りのメッセージのほかに、Facebookに高松駅からここまでのレポートを写真を付けてアップしてみた↓

するとなんだかものすごい反響で、いいねとコメントが続々着いてくる。今回の海外旅行の計画はチラチラとネットでは匂わせていたものの、全国の多くの読者はほとんど知らないのだった。

明るくなって周囲の店がオープンすると、ドーハの空港は巨大かつ豪奢な姿を見せ始める。お客さんを乗せた電気自動車が通路を走っている。

サムソンのスマホ販売ブースの隣にモバイルできる机の島が並んでいる。ここならノートパソコンで仕事ができそうだ。今回は重いのを我慢してMacBook Proとアダプターも持参してきた。さっそく遅れているブログをここで1本書いてみる。

考えてみれば前回の海外旅行(タイに蝶を採りに行った)は2001年の7月。パソコンを初めて買って(お尻の丸いiMacだった)まだ1年半、ガラケーの携帯電話すら無かったのだ。カメラはまだフィルムだったし、それゆえスケッチは毎日みっちりと描いた。

『ジャングルと海〜2001タイ採集紀行』

Facebookのコメントに「旅の画集とか出ないのかな?」とあったけれど、もちろんスケッチブックは用意してある。が、前回のように頻繁にスケッチができる時間はあるだろうか? ひとり旅ゆえそんなに時間は取れそうにない。

荷物が気になって熟睡するわけにもいかず、バルセロナ便の搭乗口を確かめるとフードコートで食事してみた。ここでは円もユーロも使えないので、初めてクレカを使って支払いしてみた。値段はかなり高めだが(コーヒーが20ユーロ、トマトとモッツアレラのサンドが39ユーロ/合計日本円で2,300円‼️)、パンはなかなか美味しかったし、ハーブが爽やかに香ってさすが本場だなと思った。

時間が来て、バスで飛行機に向かう。その距離の長いこと。広大なコンクリートに覆われた滑走路敷地には緑らしきものは皆無だった。そしてバスのドアを出てタラップを登る時の暑さがまた強烈だった。あの巨大な鉄とガラスとコンクリートの空港の箱を隈なく冷房するのに毎日どれほどのエネルギーを使っているのだろう?

上空から見ればほとんど草木も農地も見当たらない。だからあの空港の豪奢と洗練はオイルマネーが生み出した根無草(デラシネ)であり文字通り「砂状の楼閣」なのだった。

続く▶︎1日目・バルセロナ宿へ


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