「大内正伸の里山再生講座2023」@綾川、6回シリーズのうち第3回目。午前中は薪火と三又囲炉裏づくりに関わる講義。
午後から石積みの現場へ。初めての参加者には、再生した石垣のとなりの補修(半崩壊地の突き崩し)を体験してもらった。
竹を伐採して枝を払う。
講義の広場に戻って三又囲炉裏づくりの実習。
僕のデモンストレーションを見てから実際に自分たちで縛ってみる。
二又枝はお店用の薪の中から探し出して作る。
それぞれが「My・三又囲炉裏」を完成して、石の炉をつくり火を起こす。こぶし大の石を10個ほど使って「コの字型」の炉を作るの。多くの人は野外でのファイヤープレイスというと石で丸く囲ってしまうのだが、一方を開けておいたほうが使いよく繊細な薪の扱いができる。
綿ロープは4㎜の金剛打ち。
飯盒でコメを炊いて試食する。
今年は実に様々な場所で三又囲炉裏を作り、調理をした。材料はフィールドに出ればたいがいどこにでもあるので、ロープと9㎜のドリルさえあればものの30分ほどで作ることができる(ついでに余った竹で火勢を上げるための「火吹き竹」を一つ作っておくといい)。小さな石の炉をつくり、拾ってきた枯れ枝で最小限の焚き火をするのだ。
これで自在カギと吊り鍋でお米を炊き、炊き上がったらもう1つの炉を追加して味噌汁を作ったり熾炭で焼き物をする。そしてそのときの薪は、薪ストーブで使うような高級な広葉樹の太薪は要らない。裏山に膨大な量で落ちている枯れ枝でいい。
いや、むしろ枯れ枝こそがこのような炊事に最も使いやすい薪なのである。そして、枯れ枝を拾いに行くことが「大地の再生」になり、里山を再生させることになる。
私たち日本人の祖先は数千年の昔からこの火燃しを続けており、それが炊事だけでなく暖房や灯りや虫除け防腐にもなっていたのだが、残念ながらほとんどの人がこのコンパクトで美しい体系を忘れてしまっている。
次回、シリーズ4回目のワークショップは、この薪を拾いに行くための「背負子(しょいこ)」を作る。