ワークショップ2日目、朝食は喫茶・スナック「津」で皆でモーニングを。
野菜スープにナッツ入りパンなど、野菜たっぷりのメニュー。これにコーヒーがつく。
お皿は地元の焼き物「石見焼き」。飛び鉋が使われている。地肌と釉薬の色が良いね。
里山インストールの敷地に集合。参加者を沢に案内し前回の施業の検証に行く。風の草刈りで脇芽が出た様子が観察でき、明るくなった沢に涼やかな風が流れていく。
その後昼まで「焚き火調理班」と「作業班」に分かれて作業。前回作った三又を取り出して炉を作り直す。参加者にもう一つの三又囲炉裏を作ってもらい、2つの火でカレー作り開始。
イノシシ肉が入手できたので先に柔らかく煮込んでおく。
焚き火昼食のメニューは、この頃の僕の定番となったスパイスカレーである。まず油にホールスパイス(ブラウンマスタード・カルダモン・シナモン・クローブ・クミン)を入れていく。この後タマネギをどっさり炒めるのだが、油がやや足りなくて、京都で飲食店をやっていたという女性参加者さんが手持ちの油を出してくれ、助けられる(感謝)。
本当にこんな細薪の焚き火でご飯が炊けるのか と興味津々の参加者。周囲にある竹、枝、石で囲炉裏を作る、そして林内に落ちている枯れ枝を使う・・・これも里山再生の極意のひとつなのだ。
猪肉のカレーができていく。タマネギ(ニンニク・ショウガのすりおろしも)とトマト缶が十分炒まった段階で粉のスパイス(ターメリック・コリアンダー・カイエンペパー)を入れてさらに弱火で炒め、ペーストが仕上がったらそれを2分割して半分をベジカレーに使う(あらかじめベジ鍋にレンズ豆・ニンジン・ジャガイモ・ズッキーニを時間差で煮ておく)。
ベジのほうはコクが足りないのでグレイダーでおろしたナッツと、タマリンドペーストを混ぜ、一煮立ちして2つのカレーが完成。炊き上げたターメリックライスを楕円型の紙皿に盛り、左右に合いがけで二つのカレーを盛り付ける。
トッピングにレーズンとパセリ。
ビジュアルも完璧ww 木製の先割れスプーンも良いね♬ もちろん参加者には大好評だった。
沢に洗い物に行くと、いかにも洗い場風にしつらえられた空間になっており、石垣にはなんと積み石によってステップがつけられている。昔の人は凄い。。。
午後から作業の続き。ヤブに埋もれていた石垣を出す作業。ササの根が手強い。
切り上げて、クサビんいよる丸太割りをやってみる。参加者のほとんどがこのクサビ割りを見たことがない。
たった2本のクサビで長い丸太が真っ二つに割れることに誰しも驚く。そして裏側はチェーンソーでピッチを入れ、クサビで破片ぎちに割っていくと厚板がとれる。
小林君が小野の鍛冶工房で作ったというヤリガンナを出してくる。ううむ、これ欲しいな・・・。
板取りしたらヨキでハツリの体験。そして破片はオリジナルの「横オノ」で小割りする。この横オノをうまく使うと驚くほどのスピードで小割り薪が安全に作れる。もちろんどちらも参加者は初体験で目が点になっている(笑)。
散会して、小林君はリモートの会議があるというので、僕はひとり温泉通りに戻り、今日は元湯ではなく「薬師湯」に入ってみた。
薬師湯の建物には屋上デッキがあって、温泉津の通りを俯瞰することができる。えんじ色の石州瓦が見事だ。この町がこのまま残ったというのは奇跡としかいいようがない。そしていま、お洒落でクオリティの高い新たな店や施設が次々とでき、温泉津はすばらしい方向に激変中である。
薬師湯を出て、コインランドリーで洗濯していたら昨夜のスナックの3人組にばったり会ってしまった。これから車で隣町の江津(ごうつ)まで中華を食べに行くというので僕も便乗させてもらうことに(というか「拉致」されたごとくだが・・・w)。
江津は中国地方の最大の河川である江の川河口の港町だ。江戸時代は北前船の寄港地として栄え、昭和期には江の川の水を生かしパルプ工場や製糸工場が進出、特産の石州瓦とともに「山陰有数の工都」と呼ばれた。
昭和37年に竣工された江津市庁舎は吉阪隆正(コルビュジエに師事)の代表作である。解体説もあったがなんとか残されるみたいだ。中華では僕もビールを飲み、食後はA嬢いきつけのカラオケスナックになだれ込んだので、建築見学どころではない(笑)。次回、見れるとよいな