奈良県桜井市の多武峰(とうのみね)にある談山(たんざん)神社。『レイラインハンター ~日本の地霊を探訪する』の著者、内田 一成氏から情報を得て知ったのだが、まあ東日本の人には縁遠く、おいそれと辿り着かない神社だ。
奥深い山の中にぽつねんとあるのだが、駐車場は広く、土産物屋が並ぶ参道があるところをみると、桜や紅葉のシーズンには大勢の人がやって来るのが感じられる。
アジサイが咲く。
ちょうど秘仏「如意輪観」御開帳の時期だった。
小さい仏像だが精緻で美しいものである。双眼鏡でじっくり観る。私にとって仏像は信仰の対象というより、純粋な彫刻作品として鑑賞の愉しみなのだ。
本殿の構成もユニークで・・・
神社なのに観音像があるのも変だがファサードがなにしろ寺の山門様だ。
回廊に囲まれた石畳の空間。
回廊というよりも大きな畳敷きの広間なのだが、そこからカエデの若葉が見える。紅葉時期にはどんなことになっているのだろうか。
ほんとうに神々が降りてきそう・・・と思わせる空間。
社宝である『多武峯縁起絵巻 』(写本)のうち「蘇我入鹿誅戮図」。首が飛ぶこの図は教科書に載るくらい有名らしい。
「百味の御食(ひゃくみのおんじき)」・・・嘉吉祭(秋の祭り)で供えられる神饌。上のカラフルな色は食紅で染めた米粒を張り付けたものである。カヤの実、銀杏、ほおずき。ミョウガの葉をまとめた芯に串で刺して形作られていく。豊穣のシンボルとして陰茎を象ったものとも。
唯一無二の「十三重塔」。藤原鎌足公の遺骨が納められている。
また秋に・・・。