昨年の縄文小屋づくりや今年3月のアトリエでの「野草摘みとお料理会」でお世話になった大阪の酒井さんが、この4月に現代(前衛)書家であったお父様「酒井葩雪(さかい・はせつ)」の遺作展(4/1~30)を、ご自分の拠点「墨歌」の古民家内でされており、中で酒井さんのランチが食べれる。
要事前予約の「春の野草食養膳」ランチ(5,000円)は4/7.15.22.30の4回、各10人限定で、僕は今日しか予定がとれない。唇の手術をしたばかりでまだ抜糸もしていないのだが電話すると・・・すでに予約で埋まっていた。が、時間がずれてもいいなら一人分作ってくださるという。
初めて酒井さんの料理をいただいたのは2年前のことでその驚きと感動は今も忘れがたい。その後、懇意にしていただいてプライベートでいろいろご馳走になったり調理法を教えてもらったりしているが、やはりこの季節の野草のコース料理は大変に価値がある。
酒井さんの拠点「墨歌」は大阪茨木市の車作(くるまづくり)という集落にある。高速道路やダム工事で周囲の自然環境は酷いことになっているが、もともとこの辺りは豊かな里山暮らしが営まれていたのだろう。車作という地名はこの村のケヤキで御所車を作っていたことによる。
看板は滋賀の徳昌寺の奥様の書。
ランチの時間は11:30〜14:00。13:30頃に門をくぐってみた。上がりに酒井葩雪のポートレート、
床の間や壁に多数飾られた中でまだランチの真っ最中だった。厨房にご挨拶に行き、さっと作品を眺めてから再び外へ。
すぐ近くに「皇大神宮」。
古い石仏がある。
煙抜きのある瓦屋根。
ここにも。
14:00過ぎ、再び「墨歌」へ。以前から飾られ、ここに来るたび見入っていたこの現代書・・・。このほかにどんな作品があるのだろう? と作品にも非常な興味を持って車を走らせてきた。
奥の部屋にもずらり。
額装や表装はすでに過去に為されているものだそうだ。
タイトルがついている作品もある。これは「照」。トリミングされた作品はアメリカ前衛芸術家、ポロックやサム・フランシスらのアクションペインティングを思い出させる。
かなり絵に近い作品。
「無」と「無量寿」。
伝統的な草書も。百人一首「夜をこめて 鳥の空音(そらね)は 謀(はか)るとも よに逢坂(あふさか)の 関は許(ゆる)さじ」(清少納言)。
圧巻である・・・。この作品を見るだけでももう1日欲しいくらいだ。
添えられた花と器も良い。平面で単色の書作品に、花の原色と立体が良き組み合わせとなっている。
落款印。葩(ハ)とは、花/花びら/花のように美しい・・・などの意味をもつ。
ここで1の膳が運ばれてきた。僕のひとりランチ開始❣️
(その2に続く)