縄文小屋づくりワークショップ@大阪・車作/1日目


今回のワークショップのことの起こりは、やっちゃんが以前参加した屋久島での縄文小屋づくり(2019.10)に感動し、またどこかでやりたい・・・と始まった。建設場所は「墨歌」の酒井さんの借りている畑地で、酒井さんはあの若杉ばあちゃんに薫陶を受けた食養と野草料理のスペシャリストだ。季節もいいので野草のレクチャーを挟むようお願いしておいた。

屋久島の縄文小屋は時間切れで茅葺きが未完だったが、あのときと同じように囲炉裏まではなんとか作りたい。小屋の中央から自在カギが下りて炉に火が灯って縄文小屋は本当の完成だと思うからである。

今回もスギの掘立て柱に竹を組み合わせてフレームを作るが、屋根葺きは現地のネザサを使う予定である。2日でゼロから仕上げるのはキツイので、あらかじめササ刈りをして集めてもらった。ササ刈りは「大地の再生」の風通しになるわけだが、今回は時間をみて沢の掃除を兼ねる。

墨歌での朝食。お蕎麦と菜飯のおにぎり、それに野草の天ぷらまで!

十割蕎麦、動物質を使わない出汁、お揚げに青ネギ。天ぷらはヨモギにタンポポなど。

さて、けっこうな人数が集まった。天気は上々、むしろ暑くなりそうな気配。自己紹介をやっていると時間がなくなってしまうので、それは昼時にまわして酒井さんの先導で敷地案内から。

この田畑とのかかわりの経緯と、野草を踏まないようにとの注意。

この下に沢が流れている。2段目に上がってもらったところが縄文小屋建設地。この沢は安威川(あいがわ)に合流しその下流には大型ダムが建設中であり、付帯工事の道路がこの棚田のすぐ近くまで迫っている。

さっそく作業に入る。まずは柱・梁材のスギ丸太の皮むき、そして掘っ立て部の焼き(炭化することで腐食を防ぐ)。

それができたら頭頂部の加工。梁材がうまく載るようにV字に切るのだが、「イスカ」と呼ばれる加工をする。左右から中心まで45度の切れ目を入れ、真ん中からナタで割る。するとシャープなV字が簡単にできる。

丸太は伐ったばかりのズブ生でかなり重たい。梁は4つ割りにして使うことにした。が、僕が割りクサビを持って来るの忘れてしまったので、空き時間に木のクサビを作っておいたのだが、これがちょっと柔らかくて最初の一発が入らない。で、家田くんの林業用のプラ・クサビを借りた。半割をさらに4つに割るにはチェーンソーでガイドを入れておくとよい。

ここで昼。簡単な自己紹介。けっこう僕の本のファンが来ていて嬉しい( ^∀^)。

お弁当が届く。酒井さんの料理教室で学んだことがあるという高槻駅前の「セレンテーブル」さん謹製のベジ弁当。美しく、かつ上品だな・・・。

午後からの部。穴を掘って柱を立てる。段畑の敷地はきれいな平行ではない。片側がやや狭いので、それに合わせて柱の位置を補正していく。ここでイスカの方向が重要になってくる。イスカは90度が目測できるので便利である。

元は田んぼだったので粘土質で、水を流した締めが効きにくい。水準器による垂直を見ながら突き固めたが、のちにちょっと歪んでしまった。イスカの高さを揃えることも大事である。これも水糸と水準器で行う。

梁を架けていく。

イスカの高さは梁を架けてそれが大人の頭に当たらないくらい。

ノッチを入れて交差する梁を架ける。

竹で屋根のフレームを架けて、棟木をつける。

これで縄文小屋の形がほぼ決まってしまう。番線で締めてからわら縄でデコレーション。

藁による縛りを提案してくれた建築家の奥間さんが仕上げてくれた。今日はここまで。

残り時間、酒井先生による野草のレクチャーが続く。

僕は参加者さんのお相手で聴けなかったが、後半のヨモギの解説は聴くことができた。深いな・・・。いずれ野草だけの会にぜひ参加したいものだ。

終了後、車作の集落に歩いて戻る。その昔、この村で御所車を作り献上したのが地名の由来という。

「墨歌」に戻って、酒井さんが庭で野草の茹で方、アク抜きなどを実演・解説してくださる。

連続して多種類を茹でる場合の注意など、なるほどなぁ。明日はこの野草が朝粥に入るそうだ。

夜は参加者さんと語り、墨歌泊。


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