翌朝、鰹節削りにはまってしまったyくん(笑)。客人に鰹節削りを実演して見せると、100%の人が感嘆してくれる。いくら料理が好きとはいえ、本物の出汁をとるだけでなく鰹節を自ら削って使っている(30年以上も前から)、そして石のように宝石のように硬く美しい本枯節(ほんかれぶし)の存在感、それを削る道具の堅牢さとその仕草。そして、なにより削りたての本枯節の甘い香りと膨潤な味わい・・・。
お櫃(おひつ)からご飯をよそって分ける。おひつは木曽サワラ材。サワラはヒノキに酷似するが、材の香りはヒノキほど強くなく、水にはめっぽう強い。このアトリエの竣工年(2015年)から使い始めているのでもう8年目だ。
その鰹節を青菜のおひたしや、ご飯の上にかけていただく。
食後は多度津へ向かい、タマリンの森を皆に案内し、午後から五色台の喝破道場の野田さんに会いに行った。野田さんはアトリエに打ち合わせに来た際、僕の著書を購入してくれたのだが、
道場に座禅に来ていた米国の女子大生が、その『山で暮らす〜』の本に感激し「序章」を自ら翻訳し始めた・・・という話が面白かった。
夜は酒井さんにお任せしてベジ料理。ベジ餃子の焼きが失敗だというので炭火で焼きなおしたら「めちゃ美味しくなった!」と酒井さんが大感激。
冷えたおにぎりが余っていたので焼きおにぎりをやってみたら、またしてもyくんやEちゃんがその旨さに感動している。
ゴトクがわりにミニレンガの割れたのを3つ脚にして、その上に自作の焼き網(銅製)をのせ、囲炉裏暖炉でできる熾炭をその下に転がして焼く。火力は火吹き竹で調整する。
yくんはキャンプの焚き火が大好きでいろいろ料理を工夫してやっていたらしいが、このような緻密な調理法は囲炉裏(の灰の上)でしかできない・・・ということに気づいたようだ。