「手書き文字」の話し


1日中『ドゥーパ!」の原稿(イラスト原画)を描く。下一段のみ活字であとは全面イラスト・手書き文字を8ページ分。こんな構成は90年代後半の『増刊現代農業」以来だが、そもそも手書き文字は僕のスタイルの一大特徴なので、先方のリクエストがどうあれ自分のスタイルを貫き通してきた(「手書き文字やめてください」と言われたことは一度もない/笑)。

『増刊現代農業/田園工芸』「手仕事が未来を拓く『三州足助屋敷』の冒険」((農文協/1999.11/部分)。厚トレにピグマペンで書いていた頃

昔の手書き文字は(PCのない時代)それこそペンで手書きしていた。イラストの原画に直接書くわけではなく、厚みのあるトレーシングペーパーに別版で書いていたのだ。データーがデジタル化してタブレットで電子ペンを使って書くことを覚えたが、いずれにしても手間はかかる。とくに誤字脱字があった場合の修正などが大変であった。

一昨年から導入してiPad Proと第二世代のApple Pencil、そしてアドビのfrescoがこれを劇的に楽にしてくれた。加えてアップルのお家芸であるエアドロップがこれをさらに使いやすくしてくれた。

AirDropはWi-FiとBluetoothを使ってデータを転送する機能である。frescoによって直感的にスケッチや手書き文字を描き、AirDropでMacBook Proに転送し、その中でPhotoshopを使ってお色直しをする。簡単な文字修正はトラックパッドでやってしまうこともある。

この短縮化は画期的で、それ以後手書き文字をむしろ積極的に使うようになったほどである。というわけでなんとか8ページを書き上げて、翌朝編集部へデータを転送。こうして今のイラスト仕事はメールとPDFデータのチェックにより、担当編集者と一度も顔を合わせないまま進行し、かくして四国にいながらなんとか原稿料その他で暮らすことが成立している。

明日は多度津にて上映会。上映後に僕のお話会もあるので資料をまとめる時間も作らねばならない。


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