2年前の9月、一念発起して壮大な断捨離を行なった。ベッドルームのクローゼットに溜まったままのyuiさんの衣類と、ベッドの撤去である。衣類は洋服だけで70リットルのビニール袋に10個、ベッドは折りたたんでブルーシートに包み、下屋に立てかけて置き、僕のベッドだけやや中央に移動。すると当然ながら大きな漆喰塗りの白壁が現れた。
なにか絵でも置かないと寒々しいほどだったので、2003年の個展のとき額装した原画を床置きしてみた(作品画像はこのブログでも見ることができる「みんなとプーク/トライとらい」)。
で、昨日多度津から流れてきた皆にベッドルームの新作「水郡線の絵地図」を見てもらったりしたんだけど、リリーさんが床置きしていた「みんなとプーク/トライとらい」を熱心に読み始めてしまい、
「これ床置きじゃ読みにくいですよ、壁にかけてください!」
と叱られてしまった(ーー;)。なので今日はその額をさっそく壁掛けした。壁にフックを取り付け、読みやすいように照明をつけた。照明といってもホームセンターでソケットを買ってきて裸電球を取り付けただけだが。ひもで横引きするスイッチ付きのソケットがあった。縦に変換するミニ滑車がいっしょについて900円くらい。
絵を掛けるならこの位置しかない。ここにはyuiさんのオマージュ的な顔の絵を掛けようかなと考えていたのだが、プークがくることになった。そもそも水郡線の絵地図を展示したのも和紙貼りの得意な建築家のOさんが泊まりに来たときに閃いたのだし、その裏表を横一列に並べるアイデアも、廊下にある絵巻物がなかったら出なかっただろう。そして、その絵巻物を飾る導きは夢のお告げだったのだ。・・・まったく空間デザインというのはどこでどうなるかわかったものではない(笑)
いつものように真鍮の針金でフックを作る。これは僕のオリジナルな発案だが、ミニマルにして最強である。
照明の位置と配線はいろいろ悩んだが、エアコン用のコンセントから電源をとって見えないように梁の上を回すことに。
こんな感じ。壁寄りだと白壁に反射してふんわりと明るい。レールにスポットのほうがギャラリーらしくて格好いいが、予算削減で(笑)。
額を掛けてみた。
窓を挟んでエルマーと呼応してなかなか良いね♬
ベッドをやや中央に寄せて窓側を歩けるように調整した。さて、これで新著が出たときお約束の「個展&オープンハウス」の準備は整った。
【みんなとプーク/トライとらい】第一回目「チョウを探しに」(1994)部分。今から28年前(35歳)、東京在住時代の作品である。A4版の縦位置に納まる細長のスペースに線画と書き文字をびっしり。後年『増刊現代農業 』で僕の手書き文字は大きく開花するのであるが、この仕事はネーム入りの仕事としては手書き文字デビュー作ということになる。