パゴダの中に砕石を敷き詰め、転がし根太でフローリングを張るというので、砕石になるサイズ(2.5~3cm以下)の石を大量に拾い集めて土囊袋に入れることから朝の作業が始まった。僕は諏訪在住の助っ人大工のコウちゃんに手伝ってもらい、道路側の敷石に取り掛かる。
玉石を配しながら、水平をとり間に炭もバラまいておく。やっちゃんもいよいよ重機に乗り込んでフル回転で水脈を掘る。彼女はこの日のために地元滋賀で特訓してきたのだった。
敷石は道側の既設花壇の縁石の軸線から連続するように配置。割れた擁壁のコンクリートをイナズマ状にレイアウトしながらカリンの植木に基部につなげる。コンクリートの角はハンマーで面取り。
あっという間に10時のお茶休憩時間。とりあえず仕上がった縁石の先・・・皆が座っているここの処理をどうするか? まだ決まらずに、お茶をすすりながら悩ましい時間が過ぎていく。
パゴダの外装は昨日で終わり、今日は内装の仕上げ。
ザラついた塗料を手塗りのテクスチャーで仕上げるという大胆な方法。
コウちゃんのアイデアで「竹柵」にすることにした。遊びに来る子供たちの落ち防止のためにもそれがいい! 小石だらけで乾いて水はけがよいので、竹を直接掘っ立てる。
柱の間に敷地のタンポポを移植し石で囲う。
竹柵の軸線を生かして小石でつなげる。敷石との内は花壇にしてもよいだろう。
カリンの前にもコンクリート片を用いて小さなスポット花壇を。
擁壁のくぼみの位置にもコンクリート破片で花壇を。
さて、パゴダ周りだが。一列目はやや長めの大石を水洗いで泥を拭いてもらって並べた。壁が汚れるのを防ぐためである。その間はきれいな小石を詰める。
2列目からは不定形の石をランダムに。石によっては地面を掘り込み、平らな面を上に揃える。いわゆるタイル貼りだが、モルタルで目止めせず、石による下部の凹凸が空気通しを促してくれるだろう。
雨樋の受けは少し穴を掘り、連続する石の流れで小さなサークルを作る。
雨樋があるので雨落ちはいらないが、大雨のときの跳ね防止にその外周には小石を敷き詰めたい。その範囲の目印を兼ねて点々と玉石を配置しておく。
小石はまた水洗いしてもらった。
雨樋受けのサークルには炭を。
サークルで受けきれない場合のオーバーフローも作っておく。水路風に囲わず千鳥配置の石組みで。
壁の曲線の変化点は立石を置いて単調さを避ける。石も同じ太さが並ばないようにリズムをつける。アースバッグの重量で膿んでしまい泥アクが浮くようなら石を適宜取って「点穴」を掘るとよいだろう。今日のところは皆の作業目標が明快な敷石だけで。
コンクリートのハツり、ひび割れがあるので慎重に・・・。
鉄筋の切断。
仕上げのノミは僕が手を入れた。これで柔らかなアプローチの門になった。
水脈の埋め戻しも進んで、最後のグランドカバー(チップと炭をまく)の前に残りの石をレイアウトしながら小山に積んでおく。雑然とするのを避け、同時に少しでもグランドカバーの面積を増やしておきたい。
水脈を掘ればまた石が出る。大石はまだこれだけあるが、小石と合わせ、これらは今後の住宅側の目隠し植栽に用いればよい。
なんとか形になった。暗くなる前に火をつける。
さっそく女性陣が集まって、お餅を焼きたいと持って来る。熾ができたところで僕が焼き係になって(お餅の焼き方はなかなか難しいのですぞ!)、次々と磯辺巻きが作られ、焼きスルメとともに参加者にふるまわれる。
最後は焚き火を囲んだ素敵な感想会となって終了となった。石も水脈の仕事もどちらも汚れる重労働だったと思う。参加者の皆さんも本当によく頑張ってくれた。石の感覚が研ぎ澄まされて、後半は僕の手直しがほとんど必要ないほどだった。
「敷地の清涼感が劇的に変わった・・・波動が高くなったのがはっきり感じられる」
という意見が口々に出た。植栽が進めばまた大きく進展するだろう。春から夏の萌え出る季節の敷地の変化が楽しみである。僕らも責任をもって見守っていきたい。
今日の泊まりは諏訪のコウちゃん宅へ。今夜はなんとしても蕎麦のリベンジ、そして諏訪の共同浴場だ!
(続く)