「大地の再生工事×石積み花壇」@松本/1日目


翌日は朝から快晴。風もなくそれほど寒さは感じられない、絶好の工事日和。パゴダのブルーシートが剥がされて、白壁が見えた。手前は水脈資材に使う竹。

ボランティア作業の皆さんには、まず石の仕分けをお願いした。無造作に積まれた石の山を大中小により分けてもらう。石の重さ、形、色、感触などを確かめつつ、これから並べ、積み上げていく石を感じてもらう。

このように選り分けるだけで次の作業がずっとやりやすくなる。また、石のボリュームをあるていど把握できる。真っ白いキャンバスに自由に絵をえがくかのようなこのような敷地では、この量的な感触が次のアイデアを生んだりもする。

前回、草木を仮植えし、簡易的に花壇の見切りとして並べた小石をいちど取り去ってもらい、伐採丸太が2本あったのでそれを手がかりに置いて石積みを始める。

まずは丸太の下に小石を敷き、大きめの石の並びは僕が見本を見せ、皆にも積み始めてもらう。

本来なら花壇は2段くらいの高低差が欲しいが、大きめの石をやや立て気味に、組み合うように並べるとそれらしく見えてくる。

もう一つのコーナーも大きめの石で積み直す。ただし擁壁側は前回の水脈が入っており、擁壁の軸線が視覚的に強いので前回の小石はいじらずにそのまま残しておく。

家田くんが到着して重機が動き始める。道路側の擁壁の割れの部材の移動や裁断をお願いした。この割れ部材はあとで「飛び石」的に地面に埋め込んでみたい。

道場側に回り込んでいく境界の門に当たる部分は、丸太や大きめの石で視覚的に誘導するとともに、コンクリートの角をブレーカーで丸くハツることにした。

回り込んでこの奥の細い路地から道場側の庭に入ることができる。このコンクリート壁と住宅側のフェンスが先すぼまりになっており、よいアプローチを作っている。

曲がりの変換点は立石でアクセントをつける。

花壇は長く繋がないでいったん切り、コンクリート壁側からの空気の「抜き」を確保。

やっちゃんのほうは住宅側の水脈が終わり、横断水脈を掘り始める。基本的に外周周りに水脈を入れるのがセオリーだが、敷地が長方形なので横断水脈を2本くらい入れておく。

合流点には大きめの点穴を。

パゴダ内の工事も進む。

アースバッグによるやわらかな円と漆喰の白が、静謐な宗教的空間をつくる。

外周に防水剤が塗られる。建物と地面の境界部の処理は未定だというので、左官屋さんに了解をとり石を環状に敷き並べることを提案した。

さて、夕刻が近づいてきて、もう一つのお約束はファイヤープレイスを作ることだった。とはいえ今後の庭園プランがまだ未定なので、石組みで大々的な場所を作る段階ではない。竹で三又を作り、敷地のかたわらにコンクリートのハツり塊を組んで小さな「地炉」を作った。カギはコンクリートを割った中から出た鉄筋を曲げてロープで自在を作って下げる。

皆に手を休めて集まってもらい、「希望の火」(ランプの中のもの)から、炉の中の枯れ枝に点火した。

火が灯ると一瞬で場の空気感が変わるから面白い。裸の火は、現代から失われた大事なものの筆頭ではないかと思うのである。

ふと気づくと、焚き火の三又周りは女性陣に占拠されてしまっていた(笑)。

再び作業に入り、夕暮れてきた頃また火に集う。三又を外して地炉だけにして、輪になって工事の感想を語り合う。

花壇の石組みと焚き火のおかげで1日目は充実して終わった。が、明日の仕上げが難しい。パゴダの足回りのサークルはいいとして、道路側から続くコンクリート擁壁の壊れた部分のしつらえと仕上げが、まだ見えてこない・・・。

(2日目に続く)


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