ひと塩してからピチットで脱水しておいたヒラ。小骨が多いので背ごしのように薄くスライス。皮は剥かない。ニシンの仲間は皮のすぐ裏に香りや旨味が多いからだ。
よく締まった、美しく稠密な身である。柳刃で引いてみても手感触で小骨に当たるのがわかる。
まずは酢締めにしてみる。
キュウリと合わせ、ミョウガをあしらう。
おぉ、旨い。
上品な味わい。ニシン、ママカリ、コハダに共通する、気品のある青魚の香り・・・。いくらでも食べられそう。万人向きには砂糖甘にするといいのかもしれないが、僕は米酢だけでいい。
洋風にマリネも仕込んでみた。潰したニンニクをオリーブオイルで炒め、ニンジンのすりおろしとトマトを加え、火を通す。砕いたブラックペパーを入れ、塩で調味。
いちど冷ましてからタマネギとクローブ数粒を入れ、酢を加える。これ、元ネタはニシンを使ったデンマークの郷土料理なんだけど、あちらではタラゴンビネガーを使うらしいので、乾燥タラゴンを入れてみた。
ヒラを切って少しの塩をまぶしてなじませ、
マリネ液の中へ。
香味が飛ばないように蓋をして冷蔵庫へ。明日、どんな味に仕上がるか楽しみ♬ 3~4日冷蔵保存できるそうだ。
香気を逃したくないときはバルブ付き密閉蓋のついた無印良品の琺瑯容器がよいね。左は今回使ったニンニク潰し、けっこう高かった割にあまり出番がないけど(笑)。
ニシンのマリネのレシピの初出は丸元淑生『続 新家庭料理』(p.98)、また新潮選書の『よい食事のヒント』(P.216)にも掲載されている。2冊の初版発行には10年以上の開きがあるが、レシピ内容はほとんど変わっていない。