「大地の再生」講座@兵庫県西脇市tamaki niime/2日目


2日目、矢野さんの到着まで建物周りの植栽の手入れの続き。草刈りと根周りの空気通しが終わると、枝の剪定となる。矢野さん到着してそのチェックから。駐車場の中央にある島のような植え込み。そのマツの枯れ枝を残し過ぎている。

自然の風が払う程度、目で追いながら密のところにハサミを入れる。1カ所に時間をかけすぎないように。風が枝を折っていくという平等性を頭にえがく。最初は解らなくてもそのことを気にかけて置いておく。

このマツは風通しはいいのだから、枯れるのは根(土)に問題がある。脈の合流点に大きな石が置かれており、それが重過ぎる。石が空気の動きを押さえていないか、それは触れば分かる。

石をひっくり返して泥水がついていれば空気の通りが悪い証拠。その下の土はかなり硬くなっているはず。空気が通って入れば石の裏は汚れておらず、その石らしいオリジナルな表情をしている。

対策としては石を戻す前に小石や枝などを挟んで石がかすかに浮くようにする。枯れ枝の位置が下部なら、浅い根付近に原因がある(地上部と地下部は相似形になっているので)。地面に食いついた石を浮かせて空気通しをしてやるとよい。緩めるだけでこもっていた有機ガスが抜ける。

一方、樹木の先端の葉が黄色くなっているときなどは、根の深い部分に原因がある。

徒長枝が出ている植え込みのツツジなどは、元気だから出ているのではなく苦しいからピンピンと出ている。塞がれた脈を開いてやる必要がある。縁石の下に小穴と炭を入れるのも効果的、

このマツの枯れも慰霊塔とその周囲の石の重さが原因で、矢野さんらは道側の裾に水脈を入れたのだが、歩きにくいからとクレームが来て撤去させられたらしい。

この石の下をくぐるように道まで根を伸ばしているので、道の裾を掘るだけでも効果的なのである。根を通して地中の空気振動が伝わるので(地中と空中は振動の伝わり方がぜんぜんちがう)、コツコツやるだけで遠方の植物にも伝わるのだ。

このカイヅカイブキとイチョウもかなり樹勢を回復したそうだ。

が、点穴を残して水脈溝が塞がれてしまっていた。そのときは少し掘り直すだけでもやっておくとよい。

再び、ビオトープ池づくりが始まる。

植栽用の樹木も運び込まれる。やや大きめのムクノキ、コナラ、ヤマザクラなど。

土留め柵の追加。

やや短い長さの丸太も運び込まれていたので、それを効果的に使って池の法面を作り上げていく。

杭は同じ平行位置には打たない。木杭が木の根を代行していくのだから、根がらみのように打つ。

池の底部にコルゲート管の配管。水量が少ないときはこの中を水が行く。

石が下される。

次いで植栽。

根鉢周りに支持杭。軽く埋め戻して・・・

ササの枝葉と炭。

重機に乗り換えて埋め戻し。最初に石を落とす。大きな石から落ちていき、自然に骨格ができる。こうすることで野山の自然とつながる、自然が応援して安定した地形ができていく。が、現代土木ではバケットで叩きつける。すると固く締まりすぎて空気と水が循環しない。

とはいえ、適度に荷重をかけながら、一部には転圧をかける。このように、重機を使いながら、実はかなり周到に細かい手加減を加えているのである。

自然石と木組みと植栽のワンセットが見学できたところで、私は明日の自分のイベント準備のため取材を終わらせていただく。

tamaki niime様、前日の昼食と古民家の宿泊施設をご提供いただきありがとうございました。機会あればまた経過等を取材させてくださいませ。


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