腸活まとめ


「腸活」の第一人者である藤田紘一郎氏の本を読んでいる。むかし『笑うカイチュウ』を興味深く読んだことがあるが、藤田さんはあるときから「糖質制限」を推奨するような書き方をしているので読まなくなった。しかし腸の観点から読んでみると誤解だった。

こんなときKindle Unlimitedは本当に便利で、多筆な藤田氏は無料で読める本が何冊もある。中からいくつか要旨と抜き書きをしてみる。

朝の腸活メニュー、ヨーグルト。バナナ、蜂蜜は腸に良いオリゴ糖が含まれている

腸活のための腸寿食とは?→「野菜をたくさん食べる、発酵食品をたくさん食べる、たまに肉を食べる、オメガ3系脂肪酸を摂る、精製された炭水化物は控える、加工食品は極力避ける、水道水はそのまま飲まない、よくかんで食べる、朝食は必ず食べる、気持ちのいい運動をする」

藤田氏は「そのどれもが戦前の日本人にとって当たり前だった食習慣で、日本を『世界一の長寿国』にまで押し上げた最大の要因」と説く。

この中でこれまで僕の実践してきた概念と相反するのは「朝食は必ず食べる」と「たまに肉を食べる」である。

朝食を摂ったほうがいいのは「体内時計」と生活時間とのズレをリセットするのにいいから。このリズムがずれると腸が弱っていく。同時に朝日を浴びるのもいい。

「たまに肉を食べる」については「高齢者こそ肉を意識して食べるべき」と書く。理由は「肉は体を正常に保つために必要な飽和脂肪酸やコレステロール、たんぱく質などを豊富に含んでいるから(魚や豆だけでは必要とする量に足りない)。ただし肉は週2回くらいにして、同時に野菜をたっぷり摂る。

小鯛の昆布締めと真珠貝の貝柱。梅酢で食べる

コレステロールは性ホルモンに代表されるホルモンの材料となり、それは加齢により体内で合成する量が減ってくる。ホルモンが不足すると心身の不快症状が出て、病気に対する耐性も弱くなる。

コレステロールは動脈硬化(脳卒中や心筋梗塞)を起こしやすい悪者と言われていたが、これは体内の活性酸素と結びついて過酸化脂質に変性して初めて悪玉となる。活性酸素は「食べ方」によって抑制でき、肉を食べる際には抗酸化力の強い野菜といっしょに食べればいい。

腸内細菌の組成は人それぞれ大きく異なるので、発酵食品は偏らずにいろいろ試して自分の体に合ったものを見つけるのがいい。和食なら味噌、納豆、ぬか漬け。洋食ならヨーグルトとやチーズというように、毎食、発酵食品を1品以上加える。

そしてこの際も、ある1種類の発酵食品を食べ続けるのではなく「いろいろな種類を少しずつ」が鉄則。取り込む菌の数や種類が多ければ、それだけ多くの腸内細菌が活性化し、必然的に体の免疫力も高まる。

▼以下、腸活に美味しそうだな、なるほど・・と思ったレシピなど。

アボカドとニンニクのペースト・・・アボカドに、すりおろしニンニクを入れて練り混ぜ、瓶につめてオリーブオイルで蓋。アボカドが余ったときこれで保存、様々な料理に使える。

納豆と酢とからし・・・酢は内臓脂肪を減少させ血圧を下げるなど多様な効果、酢に含まれる短鎖脂肪酸が善玉菌のエサとなり腸粘膜を保護。からしは体温上昇効果と強い抗酸化力で傷ついた細胞を修復。

納豆にちょい足し・・・ちりめんじゃこ、ゴマ(擦ること)、のり(どんなのりでも)、ねぎ、ショウガ、アボカド、しそ、まぐろ、めかぶ、トマト、大根おろし、山いも、白菜キムチ、梅干し。

オリゴ糖の追加・・・オリゴ糖は人の体が消化・吸収できないもので、善玉菌のかっこうのエサになる。身近な材料としてはゴボウ、タマネギ、バナナ。アスパラ、ハチミツ、大豆、ニンニクなど。砂糖の中でも「てんさい糖」はオリゴ糖が豊富。

キャベツ100gは計ってきざんでみるとけっこうな量

食前キャベツ・・・キャベツを食事の前に1杯分(100g)食べる。100gのキャベツには2gの食物繊維。朝・昼・夜と摂れば6g摂取できる(日本人男子の食物繊維1日の目標値は19g)。味噌やオリーブオイルなどなんでも合う(前出アボカドとニンニクのペーストも合いそうだ)。外食でもメニュー外で頼めそう。

毎日味噌汁・・・1日2杯、塩分控えめで野菜たっぷりの味噌汁を摂る。とくに50代以降は味噌のような抗酸化力の強い発酵食を食べることが最上級の健康食となる。

納豆、黒酢、からし、山芋、青海苔。強力な腸活食。これを毎日食べる

酢タマネギ・・・タマネギはオリゴ糖と水溶性食物繊維を含んだ「腸寿食材」で抗酸化物質も豊富。酢は発酵食品で最強の組み合わせ。タマネギスライスに塩をまぶし密封容器に入れひたひたになるまで酢を入れる。蜂蜜を好みで入れ、1日から数日置いて、サラダや付け合わせなど料理に使う。

50を過ぎたら糖質は極力控える(↓※なぜか?)・・・ここでいう糖質とは、製された白い小麦、白米、砂糖を使った炭水化物のこと。脳は糖質を求めるが腸は摂り過ぎを嫌がる。どうしても食べたいときは精製されていない穀類、玄米・分搗き米、全粒粉のパン、十割蕎麦などを食べる。

※人間の体にはエネルギーを作り出すための2種類の生成系がある。

1)血中のブドウ糖を利用して瞬時にエネルギーを作り出す解糖系エネルギー・・・「解糖エンジン」

2)酸素利用してエネルギーを生み出すミトコンドリア系の生成系・・・「ミトコンドリアエンジン」

1)は主に炭水化物を糖に変え、瞬発力のある動きをするときに力を発揮する(精子なども解糖エンジンが作用するので子作りにも欠かせない)。対して2)は持続力のエネルギー、酸素を代謝に利用しており、脳や腸、肝臓や心臓もこのエネルギーを必要としている。

人はこの2つの系をエネルギーの消費度合いに応じて使い分けている。若いときは「解糖エンジン」が主でいいが、50を過ぎると「ミトコンドリアエンジン」に切り替えたほうがいい。

このミトコンドリアが最も多く存在するのが腸。つまり腸内環境を整えておくとミトコンドリアエンジンが効率よく働く。ミトコンドリアは37度あたりでよく働くため体(とくに腸)を冷やさないことも重要。

「ミトコンドリアエンジン」に移行すべきときに「解糖エンジン」が活発に動く食生活をしていると活性酸素が多く発生し、重大な疾病にかかっていく

この2つのエネルギー生成系、とくにミトコンドリアについての様々な解明はここ100年の間にノーベル賞クラスの学者たちのリレーによって成されてきたもので、食と体内の問題を突き詰めていくと最後はミトコンドリアにたどり着く。

これを思うと、2011/6月に四国高松に移住したとき僕は52歳、yuiさんは僕の2学年下でちょうど50歳。ここから「讃岐うどん」/白い小麦を多食する生活に入っていったのだが、腸の健康面からは最悪だったと言わざるを得ない。

たまには肉。スジ肉シチュウの残りにチーズをのせてオーブンへ

腸内細菌を死滅させる食品添加物・・・化学的に作られた食品添加物は免疫システムにとって異物であり、特に保存料(防腐剤)は、腸の健康にとって最も危ない。

化学調味料は免疫力を落とす・・・化学調味料を使うと活性酸素が増えて腸内細菌が減る。結果、免疫力を落とす。

よく噛んで食べる・・・胃の負担を軽減、活性酸素も消える。唾液には抗酸化力の強い酵素(カタラーゼ、ペルオキシターゼ、スーパーオキシターゼ)などが含まれている。

発酵食摂取は続けることが大事・・・腸内フローラ改善の習慣を途中でやめるとあっという間に元に戻ってしまう。しかし、食事の内容を改善するとたった2週間で腸内フローラの勢力図は変わる。

僕はこれを読んで「大地の再生」に似てる・・・と思った。腸内フローラと植物の根のとくに細根周りは相似しているといわれる。植物も腸も、的確な処方すれば短時間で劇的に変わる・・・凄いことだ。

ほかにも水のことやストレス回避の方法などいろいろあるが、今日はひとまずこのへんで。


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