井岡、ダヴィンチ、若冲


さすがに年末から正月にかけては、ふだん見ないテレビをちょっと見た。まずは大晦日のボクシング。井岡の勝利、スリリングですばらしいボクシングだった。井岡のディフェンスの素晴らしさとカウンターの炸裂。歴史に残る美しい試合だったと思う。

レオナルド・ダ・ヴィンチを巡る、ヤマザキマリ(漫画家「テルマエロマエ」)池上英洋(東京造形大学教授・美術史家)がたどる「何がダ・ヴィンチを天才にしたのか?『フィレンツェのレオナルド』修業時代の謎」も面白かった。挫折の人だったんだ、ダ・ヴィンチ。

京都の絵師、伊藤若冲を描くドラマ。「ライジング若冲」。【作・演出】=源孝志は、かの名作シリーズ「京都人の密かな愉しみ」やった人だから、重層的なストーリーや映像の美しさは魅せる。

僕の蕭白コレクション。左は2005京都展の図録(400ページ超!)、さすがにこの展覧会は知らなかったなぁ・・・山暮らし始めて1年目だもの(これは奈良の古本屋で発見して即買いした)。でも1998の千葉市美術館は行った(「群仙図屏風」見た)

ただ伊藤若冲の絵は個人的には好きではない。だから京都好きの僕でも、実はまだ相国寺は行っていない。同時代の画家、円山応挙、池大雅、を三羽ガラス的にえがいているが、「曾我蕭白」が語られていないのはリアル的にどうなの?

まあ蕭白がでてきたら、ストーリーまとまらなくなっちゃうよね。実物の若冲絵画を全部見たら感動するだろうか? そこに禅の境地をかいま見れるだろうか? 大典との二人の関係に男色を、ゲイを匂わせて終わっているが、なんとなく解る。

ゲイって弱い芸術なんですよ。繊細で美しいのはわかるんだけど、なんかね、針のように細い。本当の芸術は厚板をぶち抜くような、槍のようでなければならない。

僕は蕭白が好きだ。というか、僕自身が蕭白なのだが。


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