わりと近所にある有名うどん店「うわさの麺蔵」が古民家に移転したというので行ってみる。雨降りのせいかお客は少なかった。しかし、かなり奥まった場所でわかりづらい。カーナビだけではたどり着くのに苦労した。
中は古民家をローコストで改装したという印象。
座敷や半野外席もあり。
ここは以前から鳥天やイカ天が売りの店。「はりや」同じだがずっとリーズナブルな値段設定。いわゆるセルフ価格である。
鳥天のボリュームがかなりのもの。が、揚げ油がちょっと鼻についた。それとつけ汁に甘みがほとんど感じられない。もう少し甘みを加えていいんじゃないか。
麺は問題なく美味い。他県の人が来ればまちがいなく唸るレベル。移転直後で出汁のほうは試行錯誤しているのかも。
ところで、これまた近所にあった、揚げたて天ぷらを出すうどん店「いちみ」が移転した。以前営業していた北新町に再移転したらしい。しかしここは駐車場がないので行きにくい(皆は路駐しているらしいが)。
いずれにしても油の質は廉価提供のうどん店では悩ましい問題だろう。油を吟味すればあの価格帯で出せるわけがない。現在ほとんどの業務用油には消泡剤のシリコーンが添加されているという。おかげで泡が飛び散らず、安全に揚げることができ、劣化しても長期間使えるのだそうだ。
消泡剤でググっていたら宇多津の「くぼさんのとうふ」に出会った。これ、近所のコープや「ちろりん村」で見たことがある(いちど買ったこともあるかも?)。HPによれば
「消泡剤・膨張剤等の化学合成添加物は一切使用しておりません。通常の豆腐の製造過程において一般的に使われている消泡剤の替わりに、当店では昔ながらの米糠を使用しています」
とのこと。瞬時に泡を消してくれる消泡剤の出現で広く使用されるようになって豆腐の大量生産がはじまり、どこで買っても無機質な味の豆腐が全国で出回り始めたのもこの頃・・・と。
僕がこのところ買っているのは北海道産の大豆を使った「さとの雪」の豆腐が多いが(普通のスーパーで入手できる)、ここは真空脱気で豆乳に含まれる泡(空気)を取り除くのだそうで、やはり消泡剤は使っていない。
それでも、昔地元の小さな豆腐屋に出向いて買っていたときのあの感動的な味には出会えない。東京のアパート住まいのときは、近所に自転車で行ける範囲に何件か個人営業の豆腐屋があり、よく買いに行ったものだ。油揚げも美味しかった。
いくら頑張ってもパック詰め→移送→店頭販売→購入して調理まで冷蔵庫保存・・・という段階で味も風味も劣化していくのだろう。チャリンコで買いに行き、ご主人に切り分けてもらった豆腐を、帰宅後すぐに冷奴・ビールをやった記憶が懐かしい。
ともあれうどん店の天ぷらは当面のあいだ避け、「くぼさんのとうふ」できたてを入手して食べてみたい。