朝の高松はよく晴れていた。駐車場で車をピックアップして帰還。待ち構えていたドリーはしばらく撫でてじゃれついて、落ち着くと勢いよく外へ飛び出していった。洗濯して片付けものをしているうちに昼。またしても家ソバ。とびきりの自家製かえしがあるので、これが一番早くて旨い。
家と敷地についてそろそろやらねばならないことがあるのだ。まずは大物、下屋のドアである。資材は揃っている。蝶番も買ってある。次いで、畑の草刈りの他にキュウリ、トマト、豆の支柱・ネットを立てることである。
この季節、3日も家を空ければ草はかなり伸びる。まずはラッカセイとトウモロコシの救出。そしてイチジクの周りの草刈り。そしてソラマメの種取り。さて支柱は・・・。ホームセンターで買ってくれば手取り早いのだが、やはりプラスチックものは使いたくない。竹を割って作るのだ。いや、夕刻には出発したいので急がねばならないのだが。
とりあえず下屋のドアはしばらくお預けだな・・・と考えながら、ストックしてある太竹をナタで割っていく。ん? なんだコレは?(ヤモリの卵殻だった)
竹は末(すえ)から刃を入れ、半割りでさばいていく。節の飛び出しを叩き切って長さを揃えて先を尖らせる。竹ひとつでも微妙なテクニックがある。
そういえば僕のこれまでの本には竹について記述したものがない。『ドゥーパ!』の連載では竹の項を書いてはいたのだが、単行本化には間に合わず載せることができなかった(続編を刊行するときはぜひ載せたい)。
キュウリのネットは市販のナイロン製で勘弁してもらおう。
ボリジが美しい星形の青い花を次々と咲かせる。しかし、花も葉っぱも食べてみると味も香りもあまり良いものではない。ハーブティや花を料理のあしらいに使うようだ。が、調べてみるとトマトやイチゴとの相性がいいみたいで、コンパニオンプランツになるという。
偶然にもこの区画にはワイルドストロベリーとミニトマトが植えてある。このワイルドストロベリーは昨年(?)植えたもの。今年4月の草刈りで発見・救出したのだが、いくつもの株がめきめき大きくなり、豆粒のような大きさの真紅の実をつけ始めている。それが、食べてみるとものすごく濃い味がする。
取材の合間を縫った一瞬の畑仕事だが、初夏のこの数時間手入れが明暗を分かつのはこれまでの失敗でよく解っている。というわけでシャワーも浴びず着替えだけして、夕刻に車を本州へ走らせたのであった。