三春福聚寺3日目/常温合剤・マツの救出


昨夜の宿泊地は温泉旅館「若松屋」。部屋からは見事な紅葉が見える。実はこの斜面、福聚寺のすり鉢地形の裏側に当たる。樹木の根はかなり長く伸び、互いの水脈がつながっているというから、この紅葉には「大地の再生」施工が影響を与えているのかもしれない。

福聚寺3日目、ライセンス講座は昨日までの2日間で終わり。今日は追加工事の日。この日は朝から冷え込んだ。文殊堂の山側、水脈をつなぐために壊された階段側面、この後、どのような仕上げがなされるか見守りたい。

お墓の末端の斜面変換点。比較的大きな水脈が入れられ、大量の割竹が入れられる。

朝、この斜面の崩れを心配して、自分の家の墓の斜面をコツコツと土嚢を積み上げたという地元の檀家のおじいさんに出会い話を聴いた。いずれにしてもこの一体の水脈整備は第二の要(かなめ)にちがいない。

地元の職人さんも工事に加わってくれた。

寒さの中、周囲の紅葉がいっそう冴え渡たる。

お墓の中の通路はまだ残っている。ここは山側からの土管が見えており、古井戸のコンクリート井戸枠があり、暗渠から道側のU字溝につなぐ大きな径の塩ビ管には土砂が詰まって機能していない。それらを掘り返して水脈を入れ直すのである。

しかし壊れた塩ビ管は捨てずに中に新規のコルゲート管を入れてまた地中に埋め戻す。土圧に対する補強にもなるのだし、ゴミを出さないことにもなる。

文殊堂の再奥にある小庭園の草刈り。枯れ草もそのまま放置せず、頭を刈って見栄えよく風が通るようにしたほうが良い。冬の間、植物は成長を止めているわけではなく、矢野さんに言わせると地中の空気の動きはむしろ他の季節より活発なのだという。この冬の手入れは春からの成長に姿に大きな影響を与えるのだそうだ。

常温合剤に有機物と炭を混ぜたものを水脈の仕上げに使う。水脈の上は檀家さんたちが墓参りのときに歩くので、安全に被わねばならない。いわば有機アスファルト処理の簡易版といえよう。

その仕上がり。この上にチップがまかれる。

もう水脈が入っているのはぜんぜん分からない。

矢野さんは墓地から水脈が流入するU字溝の枡に穴を開ける。

階段側面の工事の続き。コルゲート管が入れられる。

割竹を入れて篠竹の枝葉を挿していく。

石をその上に組み込んでいく。順序は下から。

続いて矢野さんは本堂前の庭木剪定のアドバイス。こじんまりまとめながら透かせない剪定の極意を伝授。

本堂周りから駐車場下の暗渠、そして扇の要に向かう開水路の浚渫。寒風の中たいへんな作業である。

雲が晴れて安達太良山が姿を見せた。

庫裏の池側の雨落ちにも修正を指示。

夕刻、残りわずか。矢野さんは枯れかけたマツを救おうと重機で坂道を登り始める。

墓地と高い法面との境に重機を巧みに入れて、マツの下へと進んでいく。

ここでミニバッホウに変える。

とにかくまず処方は、斜面変換点の水脈と点穴なのだ。

しばらくすると法面の基部から古い石柱が続々と出てくるのだった。造成工事のときに埋められたものだろう。しかし、石材の圧迫が法面の植生を脆弱にしていたと言えるだろう。

帰りに浚渫後の開水路の上に配された組み石のチェック。

こうして三春の長い3日間が終わった。今日は岩手や山形で初雪を観測したという寒波の一日だった。若松屋の熱い温泉がありがたかった。


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