大地の再生@三春福聚寺/2.水脈と雪


三春2日目。建物のおおかたを終えた大工たちは、外周りの塀や水場の屋根掛けなどを始めている。

昨日の1日でちょっと開いた感じがある。枝垂れる先端からでなく上の方から咲くというのが面白い。この蕾の様子では、全面に開花た満開時は圧巻の光景になるだろう。しかし矢野さんたちの入る以前の三年前はかなり弱っており、花も少なかったという。

サクラの根元の斜面には、この3年の間にコルゲート管による点穴や通気浸透水脈が幾重にも施されている。

ここにも。

施工跡は地味なので、一般の参拝客はこのような樹木再生の手間にはまったく気づかないだろう。

斜面にはフキノトウが出始めていた。奥様の話によると、このサクラの木の斜面は一面びっしりとフキノトウが出ていたそうだが、今年は少ないという。

また今年に入って池の水が抜けてしまい困っているそうだ。近くに新たな井戸を掘ったのが原因とも考えられるが、地中の気脈・水脈が動き始めると、植生の変化を始めとして、様々なことが起きるのは確かなようである。

昼は町内の三つの蔵を再生したお店の一つで・・・

十割蕎麦を食べる。ここまで白い更科系の蕎麦はなかなか珍しい。お店の本領はジャズ喫茶で、この蕎麦は道楽でやっているとはマスターの弁。

午後は一人で墓が並ぶ上層部を歩いてみた。かなり昔に入れたとみられるコルゲート管が続いている。これらの通気浸透水脈と、U字溝の穴開け、石垣基部の空気抜き、枝や角材を用いた抵抗柵は、敷地全体でかなりの総延長・数に及ぶ。

それに応えるように、植物たちは生き生きとした春を迎えている。

シキミが開花。

ヤブカンゾウの芽生え。

下生えの水仙。皆おとなしく揃った表情をしている。

冷たい雨の中、矢野さんから受ける手直し、細かいメンテナンスの作業が続く。

私も雨具の上下を着て、足は長靴。そして傘を持つ。メモノートやカメラを雨から保護するためだ。

グランドカバーが執拗に行われるため、雨風の度に水脈が埋まる。それを軌道修正を加えながら掘り直す。

大地の再生は直線や滑らかさを嫌う。水切りはカーブを描き、水底は凹凸のままだ。そうすることで自然の渦流が生まれ、泥アクが消えて上水(うわみず)は透明になる。

夕刻、雨はなんとみぞれに変わった。私は車の中に逃げ込んでパソコン仕事に切り替える。

まったく、これではサクラ開花の撮影どころではない!

さすがに今日は早めに切り上げ、郡山の温泉に逃げ込んだのであった。

明日はメンバー皆で仙台へ。


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