今日は午前中からガスの業者から器機の使い方の説明を受け、契約書を取り交わす。
ここは郊外なので、ガスはプロパンガスだ。家の外側に2本のガスボンベと給湯器があり、室内のパネルによって温度の調整などができる。風呂に関しては太陽熱温水器をつけたので、ガスの追い焚き機能はつけておらず、すなわち給湯だけというシンプルな構成だ。
ガスコンロ「デリシアグリレ」は家庭用コンロで最大級の強火が得られるというもので、グリルでダッジオーブンが使え、ピザやパンが焼けるという面白い機能がある。操作パネルがけっこう複雑なので使い方を詳しく教えてもらった。
次いでLIXILの担当者到着。システムキッチン、ユニットバス、洗面台、トイレの使い方をそれぞれ教えてもらう。もちろん取り扱い説明書はあって、その束を工務店が分厚いファイルを作って、渡してくれるのだった。
入れ替わり、最後は浄化槽の点検をしてくれる業者の説明があり、契約書にサインする。浄化槽には興味があるのでいろいろ突っ込んだ質問をしてしまった。
浄化槽の機能を損なわせる最大の敵は、過剰な油と過剰トイレットペーパーのようだった。もちろん化学的な洗浄剤もよくない。悲しいのは出口で塩素(カルキの錠剤のようなもの)をしこたま投入されることだ。
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明日はいよいよ資金実行となる。
今回の家づくりは住宅ローン(フラット35)と自己資金を組み合わせて工務店に支払いを行ってきたわけだが、借りるにあたって新築された住宅(と土地)そのものが担保になる。
建て売りではなく注文住宅の場合は、担保が完成していないわけだから、本来はお金が借りられない。そこで前倒しで「つなぎ融資」というかたちで借りることができる。これはもちろん利子がつき、また人質として土地の権利書を銀行側が一時預かりをする。
そもそもフリーランサーの私のようなものが、住宅ローンを組むというのはきわめて困難で、大手の銀行などはまず貸してくれない。唯一可能性のあるのが住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の「フラット35」だったのだ。
借りやすいとはいえもちろんハードルはあり、私の場合その条件となる収入や年齢はギリギリだったのではないだろうか。さらに建物そのものに条件がつき、あるていど優良な設計条件でなければ借りれない。つまり担保として長持ちし住みやすい家(構造・保存・断熱)である必要があり、それぞれ事前に審査があり、それが通って初めて借りられるわけだ。
実際には竣工検査を経て、適合証明書を提出し、建物の登記をし抵当権の設定をして(これらは代行してもらうのでかなりのお金がかかる)、ようやく資金実行(お金を貸してくれる)となる。
そのお金を「つなぎ融資」というかたちで借りた返済と、工務店の残額に回し、足りない金額を自己資金で補い、工事費の全額を工務店側に支払って初めて、家の「引き渡し」となり、事実上引っ越すことができるわけだ。
まあ。設計やデザインも大変だけど、資金や返済計画も大変なのだ。
なにもこんなご時世に借金をしてまで家づくりを・・・とも思うが、私は森林ボランティアに関わっていた20年ほど前から、国産材による職人的な家づくりを学んでおり、いつかは自分のデザインで思い通りの自宅兼アトリエを作りたいと念願していた。
子育てに必死だった時代は、自分のやりたいことができなかった。山暮らしをしていたときは、自然環境はすばらしくても、仕事環境としては不便できびしいところだった。
ここは、快適に仕事ができる初めての拠点となる。
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帰りに近所のスーパーをいくつか回って品揃えを確認しつつ買い物。愛媛の栗(くり)焼酎を見つけたので購入。資金実行と引き渡しの前祝いってことで♫