屋久島・1日目/一湊〜西部林道


「大地の再生」関連で屋久島に行くのは4度目。思えば昨年の4月、第一回目の屋久島講座が私の大地の再生デビューだった。いつもは自家用車を連れてフェリーで行くのだが、今回は初の飛行機利用。羽田から飛んできた矢野さんを迎えて、池田湖と開聞岳を見ながら本土を離れる。

飛行機はプロペラ機で通路を挟んで3席しかないという小型機。私がこれまで乗ったどの飛行機よりも小さい。屋久島空港の滑走路は海岸に平行に作られているので、いったん島を眺めるように旋回する。よく晴れて、屋久島全体が見えた。

ほとんど揺れることもなく到着。

以前の旅でもお世話になったガイドの二人が車で待っていてくれた。トロッコ道方面の道は明日開通の予定だというので、一湊〜西部林道方面に走ってもらう。この県道(島の周回道路)も何ヶ所か水に浸かったそうだ。

県道に並走する道の橋が豪雨によって壊されていた。

一湊、布引の滝。このあたり島の北西部は雨はそれほどでもなかった。滝は美しく回復して水苔がつき始めていた。

滝の下流部もヤブがすっかり消え、植物がくっきりと棲み分けしている。

先を進むと植林スギの枯れが目立ったので、枝道を海の方へ降りてみると、コンクリート護岸の港があった。その規模にしてコンクリートの過大さを感じさせる。しかし、水は美しかった。

西部林道に着く。懐かしの「かもがわ」竹皮おにぎり弁当で昼食。

半山のガジュマルまで散策。雨の被害は見当たらないが、相変わらず地面の詰まりが感じられ、腐葉土も下草も少ない。

ヤクジカに何度も会う。

アコウの木。アコウもガジュマルと同じくクワ科イチジク属で、はじめ着生植物として育つが、やがて根を下ろして母樹を絞め殺し、気根を発達させながら巨樹となる。大量の果実を動物に提供するキーストーン種だ。

環境省が試験的に柵をかけた場所。たしかにシカの食害は抑えられているように見える。しかし、本来ならシカの食害程度で疲弊する森であるはずがない。森が病んでいるから食害が顕在化してしまうのだ。

西部林道は人家がまったくない世界遺産地区だ。ヤクザルの家族は車が近づいてもほとんど逃げない。

途中、尾之間温泉に立ち寄る。相変わらず熱くてすばらしい湯質。

アペルイは別室のゲストハウスが完成していた。今夜の宿泊はここで。

アルバイトスタッフやお手伝いの若い滞在女子、そして僕の本を参考に伐採から小屋作りまでやって、屋久島で炎の囲炉裏で暮らしているというN君らと夕食を囲む。

前日、仙台で仕事をこなしてほとんど寝ていないという矢野さんには先に休んでもらい、宿の田中君と皆とつもる話をする。台所も土間もきれいに片付いて、なんだか空気感が変わったアペルイ。気脈・水脈が通じ始めると、集まる人たちも変わってくる。

※技術記事を別書きして「大地の再生HP」に掲載しています。こちら


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