大地の再生@仙台秀明/街の大樹を移植する2-1


昨夜は仙台駅寄りのホテルに泊まる。朝食後、写真整理などをしてから現場へ。昨日、山梨へ戻ったはずの矢野さんはすでに到着して、指揮をふるっていた。まずプレハブ小屋を運び出すようである。

トラックが出たところで、根巻きしてあったもう一本のマツを動かしにかかる。

チェーンソーで根切り。

ある程度見込みがついたところでスリングを掛け、クレーンで引いてもらう。

クレーンは、いま何トンのテンションで引いているか運転席で分かるようになっていて、無線でその力加減の連絡を取り合う。アームの長く伸ばしていれば、かけれるテンションには限界がある。また、強く引きすぎて隣接する構造物を壊してもまずい。

しかし、このマツはなかなか手強かった。もともとマツは直根が深く太い木であるが、都市部では地中が酸欠(還元)状態になっているために直根が衰退(腐食)しているはずだが・・・。

しかしこれだけの幹を支えているのだから、側根はかなり発達しているのだ。ようやく動き始めたが、道側のブロックを少し破損してしまった。

それでも残る下部の根がまたしぶとい。チェーンソーで切ろうにもバーの長さに限界がある。

ツルハシで土を欠きながら、根の位置を確かめて切っていくしかない。

最後はブレーカーの力を借りる。

ようやく吊れる状態にまで動く。この位置でできる範囲の根巻きをしておく。むしろを竹釘で打って止める。

飛び出している根を切りながら、むしろをかけ縄を回していく。根巻きは移動中に土が剥がれ落ちないようにするために重要な作業である。また、こうしておくと移植もしやすい。

今日は埼玉から「大地の再生」の理事でもあるOさんが助っ人に来た。Oさんは植木職人でもあり、根巻きはお手ものである。

ところが吊る段階になって、またしても底のしぶとい根が残り、根巻きを崩してしまった。

根鉢がだいぶ小さくなった。

吊り上げた状態でもういちど巻き直す。

ようやくトラックの荷台へ。

一本吊りでは正確に横倒しがしにくいので、もう一つの支点をとり、

子のフックを降ろしてもらい、親のフックを前に付け替えて、2点吊りをセット。親と子は別々に動かすことができるので安心である。それでも念のためローブで方向修正できるように人力を配置する。

根鉢の位置を決めたら、馬をあてがって枝側を固定。

そして枝の出っ張りを見て、切るなり曲げるなりして調整していく。もちろん移植のためには緑の枝葉をたくさん残すにこしたことはないのだが、交通法規は遵守しなければならない。

矢野さんは既に次の木の掘りにかかっている。道路ぎわでかつ隣の民家の塀に近い、最も危なそうな木だ。しかも、この敷地の中で最も太く、樹高も高い(すでに頭は飛ばしてある)。

さらに電線がすぐそばにあるだけでなく、この道は狭い2斜線道路なのに、けっこう交通量があるのだ。病院が近いためか、救急車もひっきりなしに往来している。

掘り進む前に、まずは最大の安全策として、しっかりとクレーンで支えておく必要がある。もし道側に倒れでもしたら大惨事になるからだ。

矢野さんがハーネスをつけてクレーンで吊ってもらい、コモとスリングを巻きに行く。

(続く)


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