トラックが出発したと同時に、我々も移植先に車で移動する。まずはラフタークレーンが入場。
植える場所を選定し、根鉢の穴を掘り始める。根鉢の形に合わせて穴を掘るのは言うまでもないが、穴底は搗き固めたりはせず、ふんわりのままにしておく。
その間、クレーンの運転手と綿密な打ち合わせ。設置場所によって、どこに重機を置くかも重要な選択になってくる。
次いで樹木を積んだトラックが到着。
今日は午後から矢野さんが山梨の事務所に用事があって帰還。この植え付けは矢野さんの指示なしで行われた。
福島と仙台からそれぞれ応援が来ている。三春でお会いした「創苑」の社長Aさんが指揮をとる。とりあえず敷地に着地。スリングを結わえ直して一本で吊る準備をする。
根鉢にかなりの重量がかかっているので、一本吊りで木はほぼ重心に向かって垂直に立つ。
クレーンに細かい指示を出しながら、重機で掘った穴にゆっくり根鉢を下げていく。
が、枝の方向は定まらないので、上部に結んだロープで回転させ、調整していく。
穴底をふんわりとさせておくと、根鉢の重心は自然と中央に収まり安定する。すかさず木杭を打つ。
今回は周囲に5本ほど等間隔に打たれたが、のちの矢野さんの話では、重心側に集中して打つのがいいそうだ。
埋め戻しの前に炭を入れる。
炭はかなり大量に使う。この大樹に対して、この程度の根鉢でつくのか? と現役の庭師たちも心配していたが、この杭と炭によって、根回りの空気通しがよくなることが、根の活着に大変役立つらしい。
前回(2018/11/1)移植した20本近い木々のうち、枯れたものは1〜2本しかない。あとはほとんど根付いているのだ。これは驚くべきことであり、大樹の移植は今後の都市の開発・再生に対する重大なテーマになるであろう。
なんとか暗くなる前に埋め戻しが終わった。ラフタークレーンと移送トラックは、リースの時間帯が限られているし、樹木の移植に際してはどうしても運転手の待ち時間が長くなる。
その辺りのコミニュケーションや間の取り方もなかなか難しいと思った。
(2日目に続く)