囲炉裏暖炉と木っ端薪


さて、囲炉裏暖炉だが、実は4月の下旬という今でも、毎日のように焚いている。

といっても、もちろん四六時中燃やしているわけではない。ごく短い時間、間欠的にやっているのだ。実験の意味もあるし、4月に入っても雨が多く実際肌寒い日が続いたこともある。

しかし、いちばんの理由は、この暖炉がまさに囲炉裏機能を持っているからで、薪の消費が少なく気軽に点けたり消したりができることが大きいのだ。

昔の山暮らしのときにも書いているが(こちら)窓から涼風が入るなら、夏の囲炉裏もいいものなのである。まさか夏に調理と火の楽しみのために薪ストーブを焚く気にはなれまいが、その点で囲炉裏は実に自由度が高い薪火装置なのだ。

自家製トマトソースが残っていたので、それを使い切るのにピザをやることにした。今回ピザ生地はドライイーストを使ってみた。練った生地を発酵させるのに、30度くらいの温度で約40分程度時間をかけて膨らませるのだが、それには湯煎にして冷めないように囲炉裏端に置いておくのが便利なのだ。

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ワタシの上に生地とお湯を入れたダブルのボールを置き、炎の側面の熱を使って保温する。お隣は三ツ爪に南部鉄瓶をかけ、囲炉裏の炎の下にできる燠炭を火元に随時補給することでお湯が沸く。

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細かい薪を使うときはこまめに薪の面倒を見てやらないといけない。が、それがまたイロリストの楽しみでもあるわけで・・・。

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今日の薪はさらに小さい。積み木になるような木っ端。普通の工事現場ならまちがいまくゴミ箱に放り込まれてしまうようなサイズだが、全部引き取っているのでこれを薪にする。このままでは燃やしづらい形のものは割っておく。

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それから小枝。

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そして焚き付けにハツりクズ。小枝以外はすべて針葉樹である。

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細かく割るのはナタよりもこの手斧(ヨキ)が最適。

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割ったら段ボールに詰めて2階へ。廃材木材のペレット化ですなw。

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さて、ピザはガスグリルに付属しているクッキングプレートで焼く。これがなかなかの優れもので厚みは1mmくらいの金属製で軽い。ガスグリルは上下両面焼きなので庫内温度が高く対流熱も起きる。なので5分くらいでピザが焼き上がる。

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石臼挽き地粉を少し混ぜてあるのでちょっと茶色い生地。くっつかないように粉をふる。

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具はシーフード。エビ、アサリ、それに今日はタコの薄切り。タマネギとブラウンマッシュル―ム。

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イーストを使った生地はふっくらモチモチしているが、裏側はカリっとしていて美味しくできた。要するに家庭で数枚程度のピザを焼くなら大きなガスオーブンは不要だし、石窯で大量の薪を使うこともない。

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最後はアンチョビとアサリで。

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食卓で食べている間、囲炉裏は放置しておくと炎は自然に消える。そのときやや煙が出るが、放っておけばその程度はフードと煙突が吸ってくれるので室内は快適だ。

その後、風呂上がりに本を読んでいたら湯冷めしそうになったので、もう一回火をつける。細かい薪を少しづつくべながら、ページをめくっているうちにお湯が沸く。

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火を消した後、煙が完全に出なくなったらダンパーを閉めてしまう。すると1時間くらいは燠炭と石の輻射熱で十分温かい。木っ端の薪はまだこれだけ残っている。

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さえぎるものがない直火の炎の温かさと美しさは格別である。爽やかな空気間での部分暖房がとても心地よい。

そして大量に薪を消費する暮らしにはどうしても違和感があるので(薪集の準備も大変だし)、この囲炉裏暖炉にたどり着いて本当によかったと思う。

ちょいと薄ら寒い夜に囲炉裏をおこし、南部鉄器で沸かした白湯を飲む。いいもんだよ♬

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石窯時代のピザ焼き


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