夏の囲炉裏と天然酵母


夏の囲炉裏もいいものだ。風が通るようにしておけば暑くなく快適。適度の煙が蚊を寄せ付けない。エアコンは? そんなもの、ここではまったく必要ない。周囲の緑と沢水のおかげで、どんなに暑い日でも日陰に入れば風は涼しいのだ。

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レタス(チリメンチシャ)とキュウリ(どちらも自家製)とタマネギのサラダ。んーまい。今年のキュウリは最高だな。土が良くなったのかな。レタスも旨い。昨年までは嫌な苦みが浮いていたが。

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ウメシロップを仕込む。熟したウメが水路に落ちている。それは梅干しにはできない(傷があると致命的)が、砂糖漬けにするとシロップができる。それを漉して煮沸するとシロップが。残りの果肉をつぶしてジャムをつくり、取り出した種(回りに若干の果肉つき)で寒天ゼリーをつくる。というのが、毎年の恒例である。後ろの棚が良いね~。ああ指痛かった(笑)。

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もうひとつ。ウメで天然酵母をつくる。隣はフェンネル。作り方は、さっと洗った材料を煮沸消毒した瓶に入れ、蜂蜜か自然に近い砂糖を少し入れる。水を蓋ぎりぎりに満たしてしっかり密封。冷蔵庫へ3日。その後取り出して常温へ。いまがその状態。

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すでに細かい泡が出始めている。朝夕2回蓋を開けて、炭酸ガスを逃がしてやりながら熟成。常温に出して3~4日目が酵母のピークになる。最初に冷蔵庫に入れるのは、低温に強い乳酸菌をはびこらせて、雑菌退治の下準備をしてもらうためだ。

やがて25度Cくらいが適温の酵母菌が増殖して乳酸菌と入れ替わる。この液体はかすかにアルコールを含み、甘くて美味しく、パンにも使えるし、スープや煮物に使っても面白いらしい(『酵母ごはん』ウエダ家著 学陽出版 2006)。

やがてアルコールを餌に酢酸菌が増えてお酢に変わっていく。最後は自然酢になっていく。とまあこれは夏に冷蔵庫があってできる新たな料理の地平線ではあるね。で、山暮らし&自然農でいくと、周囲は天然酵母だらけになるわけで、冬はどぶろく夏は酵母というわけなのである。

追記:この記事は旧ブログ「神流アトリエ日記(2)」最後の記事になります。


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