岩牡蠣の剥き方/追記:広島の「カキ打ち」


朝の通勤ラッシュに巻き込まれる前になんとか帰宅。クーラーいっぱいに採れた岩牡蠣。いや〜重たい!中にはムール貝やカメノテやワカメも入っている。とりあえず外の流しのそばに置いておき、ひと眠りしてからホームセンターに「牡蠣むき」を探しに行った。

殻付き牡蠣は何度か自分で剥いたことがある。それは洋食器のナイフで代用していた。しかし、今回の岩牡蠣は手強いだろう。専用の牡蠣むきがあったほうがいい。西村ジョイに行くと包丁などを置いているコーナーに3種の牡蠣むきが置いてあった。一番長いやつを買った。新潟の燕三条で作られているものだ。

牡蠣の貝柱は中央ではなく、蝶番を左に置くとやや下側についている。しかし、サイドから刃を入れるのは難しい。先端を金づちで割って、割れ目が見えたらそこからナイフをこじ入れる。そして上側の貝柱のあたりを目掛けて刺し、扇状に左右に振って貝柱を剥がしていく。

グリップを回してナイフをこじるのは刃こぼれの原因になるが、この牡蠣むきは刃が厚く、その心配がないのでそれで殻を開く。あとは手で開いていく。さすが岩牡蠣、でかいです!

形もばらばら、丸かったりヒョロ長かったり、2つの牡蠣殻がくっついたままというのもあった。

殻には海草がびっしりと付いているものも多く、殻を割っているとイソメの仲間が落ちて来た。殻の上に筒状の棲管(せいかん/矢印)を作って中にひそんでいるのだ。

珍しい形のカニも出て来た。

ワカメも洗っておく。

牡蠣殻に付いている様々な海藻類、資料用に取っておく。

さて、今回の最大の岩牡蠣はコレ!

先端の一番薄い部分を金づちで割って、

割れ目が見えたところで・・・

牡蠣むきを差し込んでいく。やはり刃が長くないと、この方向からでは貝柱に届かないかもしれない。

ここからは手でこじ開けるのだが、目視してまだつながっているところがあれば切っていく。

ぱっかーん。身もデカ!

殻を立てて、下側の貝柱を切っていく。

貝柱のところは美味いのでなるべく殻に残さないように。

取れました!でで〜ん。

殻の粉などを洗い流す。

剥き完了! 全部で700g以上あった。

片付けも大変である。台所じゃムリだこれ(笑)。

それにしても、さすが燕三条。そういえば中部北陸の海は岩牡蠣の産地だ。この道具のおかげで1時間かからずに終了した。

追記/ところで牡蠣の本場、広島の牡蠣剥きのプロたちはどのような道具で剥いているのかご存知だろうか? ハンドルから90度の角度で刃が付いている「カキ打ち」という独特の道具を使っているのだ。こちらに動画がある。

これを見ると下の貝柱から先に切っている。そして映像で使っているのは1本刃だが、実は2本刃の道具もあるのだ。

http://www.muranokajiya.jp/fs/muranokajiya/hiroshimakaki

これで慣れるとすごいスピードで剥けるようになるそうだ。実はこの「かき打ち」の存在は前から知っていた。私の蔵書、丸元淑生『キッチン・バイブル』(講談社1996)に書かれているのである。

しかし丸元淑生はやはりマニアックというか酔狂だ。実際にこの道具を使って家で牡蠣を剥いていたというのだから(笑)。


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