小豆島石切場と放牧豚のランチ


朝、ホテルを出てまず向かったのは「エンジェルロード」。潮の満ち干きで道が現れたり消えたりする人気の観光スポット、「恋人の聖地」などと呼ばれている。中国人とおぼしき外国人観光客が多数。潮が引きすぎて美しい弧を描いてはいなかったが・・・。花崗岩の島なのでウバメガシだらけ。その木に恋人たちが帆立貝をぶら下げていく。それとは裏腹に、砂浜の海藻にドングリが多数落ちているのが印象的だった。

観音像を望みながら島の北側へ回ってみる。

北側には大阪城へ運び込んだという花崗岩の切り出し跡「石切丁場」が多数ある。ここはその運び残しの石が並ぶ(「道の駅」になっている)。

展示室には石切や加工、運搬の道具が大量に展示してあった。

そして干しエビ(ちょっと生っぽかった)も売っている。こんな光景は、本当なら島のあちこちにあっていいはずだが、過疎化が進んで一次産業が衰退し、かつ島自体が観光産業へシフトしていることから、このような生活と市場の融合的な光景が見れなくなっている。

それにしても次々と現れる石切丁場の跡は凄かった。南側の小豆島からは予想もできない光景だ。

「岬の分教場」へ。昭和29年に映画『二十四の瞳』のロケ地となった場所。明治35年に建てられ、昭和46年までの約70年間、小学校分校として使われていた。高峰秀子の古い映画は以前レンタルショップで借りてかなり見たことがある。この先に「二十四の瞳映画村」という施設があり、今や小豆島最大の観光スポットになっている。

われわれは今日の昼食を予約してあるので時間切れとなり、醤油ソフトを食べながらまた道を戻る。

昼食は土庄町にある「せとうちのずかん」で。ここで鈴木さんと待ち合わせして一緒に食事しながらお話を聞くことになっている。

名物は鈴木農園の放牧豚を使った餃子なのだ。

島の果樹を使った生搾りジュースも。

その他の定食、豚汁も「全て小豆島鈴木農園の放牧豚を使用」と書かれたメニュー。

さっそく生姜焼き定食。野菜もすべて小豆島産。とくにオリーブは収穫期なので、今はどこでも塩漬けが出る。長命草の栽培にも力を入れていて、真ん中の茶色のはその佃煮だそうだ。セリ科の塩性植物だそうだが苦味は感じず美味しくいただけた。

餃子にも長命草とオリーブ(ペースト)が入っているそうだ。豚は鈴木農園の腕と腿肉で、ロース・ヒレ・バラといった人気部位におされて、どうしても余り気味になる腕・腿肉を使う工夫でもある。生姜焼きやキムチ焼きでも腕・腿を使っているのだが、塩麹などを用いて柔らかく食べれる工夫をしている。

島内で飼われた豚は、残念ならが屠場が島内にないので、いちど高松まで運ばねばならないのが最大のネックだが、保冷技術の発達した現在では内臓類も肉とともにバックされ、食べることも可能という。あの放牧豚の内臓ならまずまちがいなく美味いだろう。

せとうちのずかん

中山の千枚田を見て、農村歌舞伎の舞台を見に行く。茅葺の端正な建物だった。正面に神社が多数祀られており、全体に厳かな空間になっている。

たまたま文化庁の撮影班が来ており、ふだんは閉ざされている内陣を観察することができた。回舞台もあって堂々たるものである。上演は毎年5月3日に行われ、三番叟、忠臣蔵などが定番のようだが、平成26年には「義経千本桜」なども上演している。

帰りのフェリーまで土庄本町「迷路のまち」を散策。中世の頃、海賊から身をまもるために、あるいは南北朝時代の戦乱にそなえて、迷路のように入り組んだ路地を作ったそうな。

405 CAFEで抹茶ラテをいただく。

帰宅。小豆島は広いな・・・そして当然のことながらいくつもの顔を持っている。気になるのはやはり過疎である。石垣も崩れていて鈴木さんも補修の仕方が解らなので教えて欲しいとのことだった。

いずれ「大地の再生」とセットで小豆島に行く日が来るかもしれない。


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