大地の再生講座・岩手@ルーデンス農場2/風土と炭焼き


お昼は自粉の手打ちそばだった。岩手の蕎麦といえば美味いに決まっているが、水がまたいいのだろう、わんこそばではないが何杯でも入りそうだった。おにぎりは小さな黒豆入り。黒千石豆という大豆の一種で、水で戻さなくても炊ける便利な豆だそう。

蕎麦湯がまた美味しい(おかわりしました)。三春から仙台、岩手と来て今日で4日目。いま西に住んでいるので、東北の食の力強い透明感と、人たちの純朴さ・素直さが懐かしいのだった。

午後はまず風の草刈り。午前中にノコがまでの実演・解説も聞いた。この草刈りの手法ひとつでも、この講座を受ける価値がある。草を味方にする。最初は時間がかかるが、こまめに繰り返しているとやがて草が自分で改善していくので、結果的に作業量が減ってくる。

ヤブは人が一生懸命刈らなくても、水脈・気脈を通してやれば自然に落ち着いてくる。お互いにすき間があいてくる(本来の自分に合った形で棲み分ける)。見ていて気持ちのいい空間に落ち着いてくる。

風景がいいものは・・・循環している。風通し・光通しが良い。

風景がおかしいものは・・・循環していない(詰まっている)。体裁として「ムッとしている」「淀んでいる」。

重機が入り、溝掘りと「通気浸透水脈」づくりが始まった。

驚くほど黒い土である。黒ボクと呼ばれる火山灰由来の土壌だ。

溝には炭を入れ、枝などの有機物を並べていく。炭を使うのはなぜか? 多孔質の形状から保水・通気・微生物のすみかになる他に、有機物が分解の過程で出す有機ガスを吸着・放散してくれる効果もある。日野さんが教えてくれたが、むかし炭を入れない頃、ガスが出て失敗したことがあったという。負荷がかかっている現在の環境では、炭は欠かせない資材なのである。

枝は隣の森が伐採されたときの残り物なのか、かなり大量に野積みされていたので、それをいったん取り崩して、

炭焼きの実演が始まった。

屋久島の時よりも、やや本格的な伏せ焼をするようだ。重機で掘った穴に太めの丸太枝を螺旋状に組み込みながら並べていく。

風除けのブルーシートに細枝の薪を用意しておき、紙を火種に着火。

すかさず小枝を鳥の巣のように置いて炎を囲っていく。

螺旋状の空気穴から風が入り、勢いよく火柱が立っていく。加減をみて太い枝をどんどん放り込む。

ここで重機を出し、炎の周囲に土を盛る(ドーナッツ状になっている)。

炎の上にトタンをかぶせていく。ここで重機で押さえて空隙をつぶして・・・

中央だけ穴を開けたまま、その上に土をかぶせていく。

最後に煙突を2本。これで頃合いを見て(炭化が終わると白い煙が青色に変わる)煙突を抜いて完全に密封する。朝にはきれいな炭ができているはず。

これで1日目は終了。座学の行われたビニールハウスに戻って夕食をいただいた。お風呂は八幡平温泉館・森乃湯へ。車のバッテリー上がりのトラブルがあって受付時間を過ぎてしまったのだが、入れてもられえた(ホッ!)。源泉掛け流しの硫黄泉ですばらしい泉質だった。

その後、宿でYさんと打ち合わせ。矢野さんは単独で炭焼きの煙突を外しに行ったのだが、車の調子が悪い上に、カーナビが使いにくくて、ちょっと心配・・・。

(続く)


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