矢野さんとスタッフたちは中畑自治会館前に集まっていた。ボランティアグループが多数集まっており、それぞれの作業場所について検討しているようだった。
矢野さんは中畑川から県道までの崩壊地に重機で道をつける。前回は橋の下の流木を動かして本流の流れを確保し、途中まで道をつけた。
やはり、泥水は独特の腐臭がする。
今日の作業場所は赤の囲みのところ。崩壊は県道の上の山から始まっている。小沢が流れているので水みちの整備も同時に行う。
先に県道まで上がって、朝見た対岸の崩壊地を眺めてみる。
ボランティアグループが下流の溝さらいをやるようだ。スコップを使った手作業なので大変である。
矢野さんが作業を始める。
段差のあるところに流木を持って行き・・・
周囲の石やコンクリート破片を木の間に組み込んで、
土をかぶせ段差を埋めて・・・
重機で乗り越えていく。
既存の道はできるだけそのまま使うが・・・
破壊されている部分は、小沢との関係性に留意しながら新たに道を造っていく。使うのは現地の材料だけだ。他には番線くらい。「持ち出さない、持ち込まない。その土地の材料でその土地の自然が成り立っているのだから、それに習う」
沢に土が落ちないように、長い流木を使って土留めを作る。舗装路の下がえぐれて空洞になっている。
石と土をまいて重機で転圧をかける。が、えぐれていた路面が欠けてしまった。
あやうく重機が倒れるか・・・という場面だったがなんとか持ち直す。
再び長い流木を使って土留めを延長する。
とにかく基礎は石(コンクリート片)と流木。
Iさんら2名が合流し、チェーンソーで杭を作り始める。撮影隊のMさんも到着。
練りコンを使わずに即物的に土留めを作るには、石と流木だけでは土がすき間から流れてしまう。そこでもっと細かい枝葉などをすき込んでいく。
そして、杭を打つ。セットした流木の内側に打つのは土圧の影響を少しでも弱めるため。流木をチェーンソーで尖らせた杭はかなり太い。「土留めに使った流木の太さに応じて杭の径を決める。その流木が生きていたときのいちばん太い枝の太さが目安」
3本とも内側に打ったが、真ん中の杭だけ流木の外側に打ってもよい(そのほうが木がよく止まる)。これらは後から番線で緊結する。
昼時間になったのでいったん自治会館に戻って昼食。
食事は、ボランティア団体がFacebookで呼び掛けて運んだ支援物資、それらを用いてボランティアの方々が自治会館の厨房で手作りしたもの。カレーに揚げ物に冷奴。飲み物も冷蔵庫からいただいた。
(再生技術編その2 に続く)